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地下女王の日常
【鬼畜 官能小説】

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地下リングの生贄@-1

 グチャ!!
 巨躯のレスラーが前のめりに倒れる…リング上、倒れた男を威勢良く踏みつけ客席に怒鳴るように咆哮する女性レスラー。
 「あはっ!!地下リング?こんな雑魚ばかりしか居ないなら私たちヴァルキュリアのレスラーの方がよっぽど客呼べるわよ!!所詮表舞台に出る実力も無い二軍の寄せ集め?」
 リング上で威勢良く勝ち名乗りを上げるのは、アイドルレスラー団体『ヴァルキュリア』代表 高木彩美。
 そしてここは地下リング…決して公にならないアンダーグラウンドの賭試合のリングである。

 地下リングルール
 レフリーは不在、時間は無制限。 勝敗は失神のみ、尚敗者が意識喪失後も勝者の裁量で試合続行可。
 相手を失神させ勝利宣言すればそこで試合は終了、ただし勝利宣言前に意識喪失中の相手が意識を覚醒した場合試合は続行、その状態から覚醒した相手に失神させられれば当然逆転敗北となる。
 敗者の処遇は勝者の望むままになる。ただし、敗者を殺害至らしめた場合は勝者に罰金が課せられる。

 そんな有り得ないルールの地下、そんなリングに自ら参戦した彩美…当然理由がある。
 彩美が代表を勤めるアイドルレスラー団体ヴァルキュリア…並み居る女子レスラー団体の中でも飛び抜けた強さ、そして一人一人がアイドル並みの容姿を持つ団体。だが地下の組織による卑怯な工作により団体を運営するスポンサー会社が買収の憂き目に会ったのだ…。
 多額の借金を詐欺同然の方法で背負わされたスポンサーを助ける条件…それが『団体代表である高木彩美の地下リング参戦』
 「はんっ♪こんな調子じゃ私が地下女王したほうが良いんじゃないかしら?」
 勢いよく毒づく彩美、派手な赤いビキニコスチュームをに包まれた姿態を惜しげもなく晒し長い髪をポニーテールにまとめ気丈に観客席にアピールを繰り返す彩美の背後…。
 パチパチパチ
 歓声に紛れて拍手の音が聞こえ振り返る彩美…そこには黒いビキニに身を包んだ女性…彩美より少し小柄な…ただ沸き上がるような目に見えぬオーラのようなものを感じ彩美が睨みを説かぬまま話しかける。
 「アナタが『女王』様かしら?思ってたより全然大したこと無さそうね?」
 彩美に話しかけられた女王麗華…薄笑いを浮かべながら…。
 「初めまして♪地下の三軍見習いレスラー倒して随分派手な勝ち名乗りね?『美しすぎるレスラー』高木彩美さん?やっぱり綺麗な顔してるわね?ただ性格は生意気そう…んふ♪まあ締め落として失神させてからゆーっくりその身体嬲って遊んであげる♪」
 目の前の女王の言葉に露骨に嫌悪感を露わにする彩美。
 「アハッ♪そうね?こんな雑魚何人用意しても私の敵じゃ無いわよ?私の実力わからないんじゃ、ヤッパリ大したこと無いんじゃないの?こんなに暗い地下の穴蔵でね?井の中の蛙って言葉ご存知かしら?女王様?」
 投げかけられた言葉に怒りを覚えた彩美は、鋭い殺気を込めた視線で女王麗華を睨み挑発を交わす。
 「あら♪聞いてたとおり気が強いのね?貴女みたいな生意気な相手を締め落として意識失わせてから嬲り壊すの大好きなの♪余りに相手壊しちゃうから対戦相手いなくなっちゃってさぁ(笑)たまーに貴女みたいな世間知らずの生け贄参戦させて退屈凌ぎしてるってわけ♪私に勝てたら約束通り団体の買収からは手を引いて上げるわ♪ただし…わかってると思うけど?私に負けたらその身体…私と観客の嬲りもの…二度と地上には戻れない…。」
 麗華の言葉に無意識に息をのむ彩美…、即ち負ければ二度と戻れぬ奴隷…有り得ない話ではない…私が勝ったときの条件…数億の金が絡むスポンサー買収…それを無かったことにする…その引き合いが『私の身体』。
 怖じ気づく訳にはいかない…私は『ヴァルキュリア』代表高木彩美…最強のアイドルレスラー!!負けるわけには…いや…負けるはずがない!!今まで鍛え抜いた身体…精神は絶対私を裏切らない!!
 「私は絶対負けない!!仲間の為に…自分の信念…尊厳の為に絶対負けない!!」
 吠える彩美…待ちかまえていたように鳴るゴング…同時に駆け出す彩美…無防備にリングに立つ地下女王にむかい…視界…急速に間合いが詰まる…目の前の麗華の姿が近づいてくる…間合い…。
 「シイッ!!」
 短い気合いの声と共にハイキックを放つ彩美…完璧なスピード、タイミング…この角度はかわせない…これまで数々の、自分より大きな男性レスラーすら一撃で昏倒させた彩美の渾身のハイキック!!
 (決まった!!)
 思い切り蹴り足を振り切る…女王の首目掛け…。
 「…ぁえ?」
 確実に決まる筈のタイミングで放たれたけり足が大きく空を切る…咄嗟に間抜けな声を出す彩美…消え…。
 「…ぐぶ!!…ぁ!!」
 次の瞬間無防備な彩美の背後から首に有り得ない圧力…余りの事に防御等間に合うはずもない…。
 (…そんな…チョーク…ヤバ…落ち…)
 混乱する彩美…麗華の腕は確実に彩美の気道を締め上げている…視界が急速に暗くなっていく…。
 「…ゴホッ…んぐぅ!!やぁ!!」
 落ちる…この事が地下のリングで何を意味するのか、ルールにあった「相手の意識が喪失しても試合は終わらない」という一文を最早思考も定まらないまま反芻する…。意識を失ってしまったら…なにをされても…。
 観客席から一斉にカメラのフラッシュが焚かれる…最強アイドルレスラー高木彩美の、無様な秒殺失神敗北…このスクープを逃さぬように地下メディアが一斉に撮影を始めたのだ…。
 屈辱…無念…羞恥に意識せず彩美の視界が涙で歪む…。
 (やだ…まって…まだ私戦える…落ちたくない…落ちたく…)
 彩美の思考が暗転する…眠るように閉じられた瞳…目尻から一筋…無念の涙が頬を伝いリングに落ちる…。
試合開始僅か1分30秒…最強のアイドルレスラー高木彩美は呆気なく地下女王に締め落とされ、リング上に無様に倒れ伏してしまう…。
 


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