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熱闘!全裸体育祭
【教師 官能小説】

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第36話 『土下座』-2

「にばん! す、『スライディング土下座』ッ、いきます!」

 食堂の長机を隔て、50番が腰を下ろす椅子から距離をとる。 スゥー、大きく息を仕込んで、フゥー、呼吸を1つ整える。 

 ダダッ。

 2番は全速力で長机に走る。 そのまま長机にぶつかると思いきや、腰を落とすと同時に膝を床につけ、オーソドックスな土下座の体勢になった。 食堂のリノリウム床を、膝をつけたまま2番が滑り、長机の下を潜る。 そのまま50番の足許にいざり、両手をブレーキにして停止したところで、約2メートルを滑った土下座が完成した。 

「申し訳ありませんでしたッ!」

 2番が通った跡に、うっすらと血が滲んでいる。 いくら滑らかなリノリウム製とはいえ、摩擦係数が高すぎる肌で滑るわけで、肌への負担は半端ない。 おそらく2番の膝は、摩擦熱で皺がとけ、スベスベを通り越して出血していることだろう。 敏感な部分の痛みに、けれど2番は黙して耐えて、土下座する。

「勢いが足らないわ。 もっと動きにキレがなくっちゃ。 どうせ、ただ机を潜ればいいって思ってるんでしょうけど、ちっとも誠意が伝わってこない。 次」

 2番が予想したとおり、50番には許すつもりは毛頭ない。 ひとしきり無様で間が抜けた謝罪をさせ、自分と2番の間に越えられない壁があることを理解させるためだ。 将来有望な同期を叩く格好の機会、逃す手はない。

「さんばんっ! 『三跪九頭(さんきくとう)』ッ、いきます!」

 土下座を解いて直立した2番は、勢いをつけて土下座すると、

 ゴッ、ゴッ、ゴッ。

 勢いそのまま額を床にたたきつけた。 鈍器を打ちつけるような重たい振動が食堂に響く。 すぐさま立ち上がり、直立姿勢に戻る。 2番の額には、3度の衝突で青い痣ができていた。 と思うと、再度全力で土下座するなり、

 ゴッ、ゴッ、ゴッ。

 痛々しい額を、同じように叩きつける。 さらに立ち上がり、全く同様にもう一度、都合9回額を地面にぶつけてから、両手を頭の前に揃え、土下座のまま静止した。

「申し訳ッ、ありませんでしたッ!」

 一連の激しい動作を経て、肩で息をしながら謝罪する2番。 50番はクスクス笑いながら、そんな2番を見下ろしている。

「律儀に本気だしちゃったのねぇ……ふふっ。 でもダメよ。 三跪九頭は、本来貴人に敬意を表す上品な行為。 下品な貴方には似つかわしくないものね。 別な方法で謝って頂戴」

「……わかりました」

 2番が掛け値なしに全力で額を打ちつけたことは、ジワジワと額に広がる青地が証明していた。 それでも50番は許さない。 2番も、既に覚悟していたので、次の謝罪ポーズに入る。

「よんばんっ、『フロント・ローリング土下座』ッ、いきまぁすッ――……!」

 延々と食堂に響く、2番が謝罪する大きな声。 『前転しながら土下座』『バク転してから土下座』といった土下座のフルコースの次は、仰向けになって手足を縮め、屈服した証拠に無防備なお腹を晒して謝罪する、あるいは体の内臓を晒すべく膣、肛門、喉にフィストしながら謝罪する。 柔軟な2番の膣にしろ肛門にしろ、華奢な手首まで軽々と呑み込む様子に50番は手を叩いて喜んだが、それでも誠意を認めない。 

 結局20回以上みっともない謝罪を経て、紙に書いてあるポーズをすべてさせた上で、『両耳たぶを親指と人差し指で摘み、思いきり真下に引っ張る』という古式謝罪ポーズでもって、ようやく50番は2番の謝罪を受け入れたのだった。

「全く、謝罪1つにどんだけ時間かけるつもり?」

「……申し訳ありません」

「ちゃんと『自分が最底辺の滓』だって自覚してないから、こんなに手間がかかるのよ。 普段出来てないことが急に出来る訳ないの。 反省しなさい」

「……は、反省します。 私は最底辺の滓です……申し訳ありません」 

「貴方は下品で臭い『最底辺の滓』なんだから、毎日寝る前に『私は最底辺の滓で、ウンチするしか能のない汚物製造機です、生きていて御免なさい』って10回いうこと。 いい、ちゃんと毎晩欠かさずに、よ」

「ううぅ……分かりました」

「何をどうするか、自分の口ではっきり約束しなさい」

 畳みかける50番。 2番は耳をひっぱった謝罪ポーズのまま、

「……こ、これから毎日寝る前に『私は最底辺の滓で、ウンチするしか能のない……汚物製造機です。 い、生きていて御免なさい』と10回いうことを約束します……申し訳ありませんでした」

 目を逸らさず宣言し、深々と頭を床につけた。


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