聖夜の秘めごと-4
あの沙耶が悩みを抱えている?
野次馬的な興味が湧いた。
だけど、詩織が聞いてもいい話なのかどうかが判断がつかない。
迷う。
詩織が何か言うよりも先に、晶が口を開いた。
「聞きたいんでしょう? そんな顔してる」
「え……いいの?」
「詩織は友達だもの。でも、後悔しないでね」
「後悔?」
「約束して。何を聞いても、わたしたちはずっと友達のままだって」
「も、もちろんよ。何があっても、わたしたちは」
なぜだか、その先が言えなくなった。
ごうごうと風の音が強くなり、白い雪が窓ガラスに叩きつけられていく。
暖炉の火はまだ赤々と燃えている。
そして沙耶は掠れた声ででたらめな曲を歌い、けらけらと笑いながら壊れた玩具のように踊り狂っている。