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キミの体温 ボクの吐息
【女性向け 官能小説】

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「凄い!何でも用意してあるのね」
「大学時代、よく男友達と大勢で海に来てたんだ」
「へぇ」

「誰もいない、どの船も見えない海で持ってきたランチを広げて食べるのが楽しみでさ」
「うん」
「暖かい飲み物もあるし、今日は海の上でゆっくりしようぜ」

ゆらゆらと揺れるその船は
海に抱かれたゆりかごの様で
天気のいい日曜日は贅沢過ぎる過ごし方だ。

隣に好きな女の子がいて
美味しい食べ物があって
思った以上に波は穏やかで過ごしやすい。

笑いながら食べたランチを片付けて
船内から持ってきた2枚の毛布にくるまって甲板で2人でごろりと横になった。

「真っ青だね。空を見ても、海を見ても」
「だな」

この海には、2人だけしか存在していないかのような静けさの中で
抱きしめたい気持ちが強くわき上がるけど
今日は、白石のための1日にしたかった。

俺の気持ちは後回しで
とにかく、気持ちのいい1日を過ごしてほしかった。

それでも、毛布から出ている小さな彼女の右手を
そっと俺の左手でくるむ。

「冷たい手だな」
手をつないだ事を、そう茶化して
白石も俺の手を払いのけなかった。




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