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キミの体温 ボクの吐息
【女性向け 官能小説】

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俺はタクシーの中をドアから覗き込んで
「山村さん、大事な人なんでよろしくお願いします」
と、前面にあるタクシー乗務員の名札を見て
わざわざ運転手の名前を読み上げてお願いした。

言葉口調は丁寧でも「運転手の名前は覚えた」と
暗に言っているようなもんで
これで、無事に白石は帰れるはずだ。

別に運転手を疑っている訳じゃないが
こんな時間だ。
俺が送るつもりでこの時間までつき合わせたけど
俺が送れないなら、少しでも無事に送り届けてもらう方法は惜しまない。

その意図に気がついたのか、白石はやっぱり笑って
「ありがと」
そう言ってドアを閉めて走り去った。

少し歩こう。

ぶらぶらしながら歩いて
空を見れば、冬の空に星座が綺麗にきらめいていた。

「一緒に見たいよ」

思わずそう呟いた自分にビックリして
半日前まで名前ぐらいしか知らなかった女の子を
もっともっと知りたいと思った。

そう。
例え、男がいたとしても―――



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