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キミの体温 ボクの吐息
【女性向け 官能小説】

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-3


元町商店街自体はこの時間にはすっかり全店が閉まっていて
一本抜けた川沿いの雑居ビルの2階に小さく光るバーに入った。

'50年代を彷彿とさせるインテリアのバーは
ゆったりとした洋楽で
真ん中にぐるりと丸いカウンターがあって
席はそれだけしかない。
ほんのりとした間接照明はカウンターの中だけを照らしていて
カウンター上部にびっしりとぶら下がっているワイングラスとカクテルグラスが
照明の灯りをわずかに反射してキラキラしていた。

「新田くん、素敵な隠れ家を知ってるのね」

可笑しそうに笑う白石は
「なんだよそれ」
「いつも女の子を連れて来てるんでしょ」
なんて憎らしいことをつぶやく。

「ここは、俺のお気に入りなの。
女の子を連れてきたのは白石が初めて
加賀も連れてきた事はないよ」

思わずそう言って、白石の椅子を引いてやれば
ビックリしたようにコートを脱いでそこに座った。

ココは俺のお気に入りのバーで
カウンター席しかないそこは、1人で飲むのにうってつけだった。

「ビックリした」
「何が?」

「ここに連れて来てもらった女の子が私が初めてなのと・・・
椅子を引いてくれたこと」

「そうか?」
「新田くん、自然にそういうことができるんだね」




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