投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『思い出のプールサイド』
【エッセイ/詩 その他小説】

『思い出のプールサイド』の最初へ 『思い出のプールサイド』 0 『思い出のプールサイド』 2 『思い出のプールサイド』の最後へ

『思い出のプールサイド』-1

もう、夏だね、ゆきちゃん。

もう、泳げるようにはなりましたか。



アナタは一番、心の綺麗な友達。

アナタは軽い、ダウン症だった。


私より、4つも年上だったのに、ゆきちゃんの顔はすごく可愛かった。

スイミングスクールの小さな待合室が、週に一度だけ会えたあたし達の場所だったね。

プールでは、初級コースだけについてる25メートルの端の赤い段から赤い段まで、頑張って泳いでたね。

何回立っても、めげずに…


違うコースで泳いでたあたしに、「すごいね」って言ってくれた。
あの赤い段を見る度、ゆきちゃんを思い出すんだよ。



プールサイドですれ違う度、ハイタッチしたの、覚えてる?


あたしがスイミングやめる最後の日に、泣いてくれたの、覚えてる?


あれから、もう何年も経つね。

あれっきり会ってないけど、そしてこれからも、会える事はないだろうけど


ゆきちゃんは、今でも誰より綺麗な心を持ってると信じてるよ。

今もどこかで、明るく優しい笑顔でいると信じてるから。


アナタは、一番綺麗な心を持った、あたしの親友。



もう、夏だね、ゆきちゃん。


『思い出のプールサイド』の最初へ 『思い出のプールサイド』 0 『思い出のプールサイド』 2 『思い出のプールサイド』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前