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彼女の『お姉たん』
【学園物 官能小説】

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星空が僕たちをつないだ☆-4


 冬休み間近のある日、僕ときょう子は船で陸土の大きな科学館にやってきた。
 科学館の中にも、大きなクリスマスツリーが飾られて、プラネタリウムのまわりにも飾り付けがほどこされていた。

 「プラネタリウム解説競技会」が始まった。

 プラネタリウムのドームの中に、今と違う星が北極星だった 三千年前の星空が映る。
 その星空の中に、「天の赤道」の線と、太陽の通り道である「黄道」の線とが重なって映し出された。
 「黄道」の線には「OCTOBER」「NOVEMBER」という日付の目盛りが細かく入れられて、
 「みなさん、ここをごらんください。」とドームの中にきょう子の声が響いて、ポインターが「DECEMBER」の ある点を示した。
 「ここが、冬至の日に太陽が来る所です。機械の都合で太陽が出せませんので、ここに太陽があると思ってください。」

 星空と二筋の線が動きだした。まるでドームが回り出したような錯覚を感じた。きょう子の示した点が、地平線に達した時、二筋の線が消えた。

 「ここをごらんください。」きょう子のポインターが、南の空を示した。そこには昴宿……すばる星があった。
 「今は冬至の日没時に、昴宿こと すばる星はずっと東の方にあります。しかし古い天文書の『冬至の日没に、昴宿が南中する』という記述が正しいことは、これで確かめられます。もちろん、日没した時には星は見られません。まだ望遠鏡さえなかった時代に、昔の天文学者たちは肉眼による緻密な観測で、こうしたデータを得たのです……」

 解説が終わって、きょう子が解説台から降りてきた。
 緊張してるせいか、一瞬(え、私どっちへ行ったらいいの?)という表情でドームをうろうろして、みんなの笑いを誘ったあと係の生徒に案内されて出て行った。

 (かわいいな……)僕はそんなきょう子を席についたまま見送った。(うちの学校、ふだんは私服だからな。女子はあんな制服だったんだな。)

 そのとき、後ろの席から男子たちのひそひそ話が聞こえてきた。
 「おい、今の分校の子、あれ男の子なんだろ。」
 「そうらしいな……」
 (え?)僕は驚いて後ろの声に耳をそばだてた。(うわ、知られてるのかよ……)
 「でも、顔も声もかわいいよな。」
 「うん、もともと都市部にいた子らしいからな。」
 後ろの声を聞いて僕は動揺しまくりだ。
 (どのくらい情報漏れてるんだ……)
 後ろの声の話題は、だんだん別の方向に向かっていった。
 「あの子…… もうチンチン切ってるのかな。」
 「まだ切りはしてないだろ、成人しないとダメだろ。」

 
 


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