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『まほうのパティシエ ピュア☆ドルチェ』〜せいなるよるの おとどけもの〜
【ファンタジー 官能小説】

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とうじょう!まほうのパティシエ-6

『や、やるなコムスメ』
『ほかの店に行ってたやつらも合流したぞ、数は増えたぜ!!』
『だがゆだんするな、気をつけろ!!』

「……って、こんなに増えたらベッド数が足りないんですけど〜!!」
文字通り黒山の、いえ黒アリの人だかりです。

『『『『『かかれっ』』』』』

「しょ〜がないなぁ、よ〜し」
やれやれ、とあたしはまた、デコペンを構えて叫びます。
「マジカル・デコ!!」
増員したアリさんたちを尻目に、デコペンをかざし、
「チェンジ、サンタフォーム、デッコレーショーン!!」

ちょっとオトナの、紅いワインの香り。

綿菓子みたいにふわっふわの、白いフェイクファーの飾りが付いた、深紅の三角帽子。
大胆なビキニブラと、かろうじて下着が隠れるくらいの短いスカートも、フェイクファーが飾られた、深紅のツヤツヤしたベロア生地で出来てる。

そして、高いヒールの付いた真っ赤なブーツ。

チリン、と澄んだ音を立てたのは、耳元に付けた、小さな金のベルの形のノンホールピアス。

「ホー、ホー、ホー!!!……甘美な食前酒、召し上がれ?」

そう、今度はお洒落なガーリーサンタさんです。

『ええい、ふざけやがって』
『かまうもんか、やるぞ!!』

「こらこらトナカイさんたち、言うことを聞かないと、プレゼントあげないわよ?ホー、ホー、ホーウ!!」

こりずに押し寄せる黒アリ軍団に向かって、勢いよくデコペンを降り下ろします。

ピシッ。

真っ赤な革のムチに変形したデコペンの先端が、アリさんたちの足元の地面を打ち鳴らして、彼らは思わず足を止めました。

「さあさあ、みんなで仲良くワインをかたむけましょう、それっ♪」
バシャバシャバシャッ。
ムチからワインボトルに変化したデコペンの先を向けて、真っ赤なワインを雨のようにふりかけちゃいました。

『つ、つめたいっ!?』
『なにしやがるんだこのコムスメ!!』
『んン!?……なんだコレ結構イケるぞ?』

「ホー、ホー、ホーウ!!………では最後の仕上げですよ〜〜……
……フランべッ!!!」

ボトルから紅いローソクに変化したデコペンが、アルコール度数15パーセントのワイン浸しのアリさんたちに、聖なる火を灯しました。

『『『『『ぼぅわわわ〜〜ん』』』』』
青い炎に焼かれながらも幸せそうな泣き笑いを浮かべ、大勢いたアリさんたちは一気に昇天しちゃいました。

「メリークリスマ−ス!!……ホー、ホー、ホーウ!!!」

こうして、どうやらこのまちのお菓子屋さんを襲っていたわるものたちは、ひとまずいなくなったようでした。


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