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キミの体温 ボクの吐息
【女性向け 官能小説】

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「まさかココで白石に会うとは思わなかったよ」
「うん・・・」

派手じゃないと言っても
毛皮のファーのマフラーをして
ピンヒールは外さないんだな。

そのおしゃれが誰のためなのか気になる俺は
自分の気持ちに戸惑って
話の続かないその空間が居心地悪くて

「そのヒール、似合ってる」

足元を見てそういえば
白石は、くすくす笑い出した。

「何?」
「新田くん、噂通りなんだもん」
「噂?」

「うん。さらっと自然に女の子が喜ぶようなこと言うのね」
「嘘はついてないよ」
「うん。ありがとう。私の彼とは大違い」

男が、居るのか。

当たり前か。
横眼で見る白石は確かに可愛い。

加賀が可愛い子が総務にいるって騒いでたっけ。
彼氏持ちだよ。
そう月曜日に加賀に教えてやろう。

「今日は彼と一緒じゃないのか。花金なのに」
少しからかってそう言った後に顔を見ると
苦笑いして泣きそうな顔になった。

「すっぽかされちゃった」

見えない涙が、流れたような気がした。




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