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キミの体温 ボクの吐息
【女性向け 官能小説】

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外観は倉庫をそのままにして決して派手ではないその建物に
看板のネオンだけがピカピカに光り、目の前の真っ暗な横浜の海に映っていた。

隠れ家的な入口ファサードを慣れた風にくぐり抜けると
薄暗いエントランスが垣間見える。

中に入るといきなりの騒音とミラーボールに目を奪われる。
まるでバブルの象徴だ。

ディスコの様でディスコだけじゃないそこはもちろんダンスフロアが中心で
ビリヤードもあり、ブラックミュージックの生演奏があったりして

横浜感を存分に醸し出していた。

音と視力に慣れて、テーブルを探して
バーカウンターで注文したコロナビールのライムを瓶底に押し込んだ。

しばらく飲んで、周りを見回して
加賀が女の子を物色する。
「加賀さぁ。毎週毎週、良く飽きないね」
「女の子を飽きるって意味が分かんねぇ」

ここに来ている女の子はナンパされるのが目的の子も多い。
短いボディコンを着て。
ケバイ化粧に、高いピンヒール。
髪はワンレンかソバージュ。

「俺、近頃ここにいる女の子がコピーに見える」
「は?大丈夫か?新田!」
「みんな同じに見えるわ」

そう言った俺の言葉に加賀が苦笑いして

「俺たちだっておなじだろ」




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