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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第5章 救いの手-7

それから1週間後、県警本部は事件に対する記者会見を開いた。壇上に立つのは田澤だ。多くのマスコミが集まる中、記者会見は始まった。

「えー、今回の連続強姦強盗殺人事件についてご報告致します。まず桜町を中心とした繁華街で起きた飲食店勤務の女性を狙った連続強姦強盗殺人事件の容疑者を澤田謙也容疑者と小森龍彦ど断定致しました。後でご説明しますが澤田謙也容疑者は被疑者死亡で書類送検、小森龍彦をこの事件の容疑者として逮捕し事情を聞いて来ました。小森容疑者より犯行を認める供述がとれましたので逮捕となった次第であります。容疑者を追跡している中で澤田謙也に人質にされていた美弥妃なる本名夏川優香さんが澤田に首をナイフで刺され死亡、澤田は捜査に当たった刑事に発砲による死亡と、2名の死亡が確認されました。しかしながら澤田らはこれまで10人以上の女性を殺害している凶悪犯です。担当刑事が挑発したと一部マスコミでは報道されておりますが、挑発行為はなかったものとの見解です。そして何のためらいもなく人質を殺害出来る澤田がいつ店内にいた一般人に襲いかかるか分からない。現に首を刺され瀕死の人質を放り投げて逃走しようとしていた。もし逃走中にまた新たな人質をとられたら危険だと判断した刑事がナイフを握る腕を目掛けて発砲した所、澤田容疑者が体勢を崩し、運悪く頭部に銃弾が当たってしまったとの調査結果が出ました。刑事に澤田の頭を撃ち抜く意思は全くなく、偶発的に頭部に当たってしまったという事が事実です。すなわち今回刑事がとった行動は過剰防衛でないはない、そう結論づけました。しかしながら不本意にも目の前で二人の命をなくしてしまったのも事実。よって刑事には1ヶ月の謹慎と捜査一課からの異動という処分を下しました。」

思いの他軽い処分に会場がどよめく。その処分の軽さを非難する罵声にも似た声が飛び交った。その罵声を会場を見渡しながら怯むことなく堂々としている田澤。そしてその罵声が少し鎮静するまで待ち、タイミングを見計らい再び口を開く。
「実はあと1つ、重大な発表があります。」
田澤がそう言うと、その軽い処分について誰もが更なる説明があるのではないかと耳を傾けた瞬間、思いもよらぬ話が田澤の口からはっびされた。

「昨夜、日向市において覚醒剤所持の現行犯で元プロ野球選手の二野原勝彦を逮捕致しました。」
「!?」
二野原勝彦と言えば高校生時代から引退するまで常に注目を浴びてきた超有名な元野球選手だ。黒い噂はあり週刊誌に取り上げられたりはしていたが、その二野原がとうとう逮捕されたと言うビッグニュースに会場にいた誰もが強姦強盗殺人事件の事など頭から飛んでしまったぐらいの衝撃を受けた。飛び交う声は全て二野原勝彦の事で溢れ返ってしまった。


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