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サンタ・カンパニー
【ファンタジー 官能小説】

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リビングに入ると、案の定、ここもゴミ屋敷のような有様だった。


大して広くもない空間に溢れ返るモノ、モノ、モノ。


型崩れした安っぽいソファー。座り過ぎて生地が薄くなった座椅子。何年も洗濯なんてしてなさそうなカーテン。


そのカーテンレールに釣り下がった角型ハンガーには、ヨレヨレになった女物の服や下着、そしてボロボロの子供服がぶら下がっていた。


……シングルマザーか?


玄関を通り抜けた時も、もしやという気はしていた。


あれだけ散らばっていた靴は、全て女物と子供の物ばかり。


そして、干しっぱなしの洗濯物にも大人の男の物は一切なかったからである。


偏見を持つわけじゃないけれど、シングルマザーの家には、たまにこんな風に荒んだ家庭があった。


親になる覚悟がない若い男女が、快楽ばかりを追い求めたなれの果て。


男は責任から逃れ、女は子供を厄介者とする。


もちろん愛情を持って子供を育てる立派なシングルマザーもたくさんいるのだが、この部屋を見てるととてもここの親がいい親であるとは思えない。


リビングの真ん中に置いてあるローテーブルには、蓋を開けっぱなしにした化粧品や、カップラーメンの空き容器。食べかけの湿気ってしまったスナック菓子の袋。そして灰皿に積もったタバコの吸い殻。


こんな環境で子育てをする親は、ちゃんとしたシングルマザーじゃなく、まず間違いなくろくでなしのDQNに違いないのである。


やっぱりホワイトクリスマスのジンクスは、今年はハズレであった。


今年最後に回る家がこんな家なんて、後味が悪い。


「サッサとプレゼントを置いてこ」


一刻も早くここから立ち去りたかった俺は、そう呟いて、おそらく寝室と思われる部屋のドアを一瞥した、その刹那。


「……プレゼントって、何……?」


と、背後で声がしたので、思わず1メートルくらいは跳ね上がってしまった。




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