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詩織を使って、昭和のテレビ番組を再現してみた。
【女性向け 官能小説】

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詩織、全裸をテレビにさらす。-1

毎週火曜日に事務所に行く。

モデルの仕事が入っていて、受けたければ、受ける。
短大生である私は、アルバイト感覚で所属しているが、いったん引き受けたら真剣にこなす。
ヌードが7割の絵画モデルが多いが、今日のは珍しい依頼だ。テレビ番組で“実験台”として全裸になる――。
たいして迷わず、受けることにした。
――――――――――
プロデューサーか誰か知らないが、数人の男女スタッフの前で、私はショーツ一枚まで脱衣した。

仮にもモデルクラブ所属なのだから、肌にまずいところがあるわけはないのだが、一応は確かめたかったらしい。

OKならば、私は、全裸で冷凍庫に入ることになる。

どういう発想なのか、極限まで体表を冷やされた人間の体温がどう変化するかを知るための実験をしたいそうだ
わけがわからない科学番組だ。

・そんなこと調べて意味あるの?
・そのデータが何か役に立つの?
・科学的な実験なら、個体差を考慮して、複数の被験者(それも老若男女)を使うべきじゃない?

そういう疑問こそ、意味がなかった。
ただ、女性の裸をゴールデンタイムに放送したい――それだけの番組なのだから。
――――――――――
審査のあと、ロケバスで移動した。

着てきた服も下着もテレビ局に置いてきた。
靴とガウンだけの姿の私が運ばれてきたのは、製氷会社?凍食品の工場?
どうでもよかった。
――――――――――
立ち会う会社の年配の係員は役得だ。それでも現場の責任者、真剣な表情は崩せない。

ヌードモデルがハラリとガウンを脱ぐシーンなんて、限られた人しか見ることはないのにね。
――――――――――
撮影はあっさりしていた。

冷凍庫のドアが開けられ、全裸の私が冷凍庫に入るところからカメラが回された。
後ろ姿だけ。
カメラが撮ったのは背中とお尻だけ――正面から見たのは、役得の係員だけだ。

中は照明がついている。
記号が書かれた木箱が積まれているだけの閑散とした庫内だった。
寒いことは寒いが、かえって裸だから、耐えやすいという気がした。

打ち合わせ通り、私は“覗き窓”の前に立った。
ガラスが曇っているので、息をかけてみたが、あまり効果はない。
カメラはバストショットをねらっている。

拷問に近い実験になるかも、と覚悟していたが、そうでもない。
裸にされたことに感謝する?

自分でも可笑しかった。
――――――――――


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