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濡レ羽色ノオ下ゲ髪
【ロリ 官能小説】

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憂鬱な果実-2


 一応はうなずいてみせた遥香だったが、この話には何か裏があるのではないか、と少なからず警戒していた。
 確かに、三年生の修学旅行には櫻井も引率として同行していたし、カメラの腕前のほどもよく知っているつもりでいる。
 けれども、男性教師と女子生徒が二人きりで秘密を共有するというのはいかがなものか。不純な動機の有無にかかわらず、そこはやはり首をかしげざるを得ない。
「それにしても、麻生さんもずいぶんと制服が似合うようになってきたね」
「えっ?」
 遥香は思わず自分の耳を疑った。いや、それだけではない。櫻井のただならぬ視線を感じる。
「入学したばかりの頃はまだ幼く見えたが、三年生ともなると女の子の印象はがらりと変わる。つまり、大人になるために体が成長しているわけなんだな」
「そうですね……」
 遥香は苦笑いするしかなかった。黒い絵の具を水に溶かしたように、不安な気持ちが胸の中に広がっていく。
「あの、今日はもう帰っていいですか?」
 怯えるようにして遥香は声を振り絞った。
「どうした、具合でも悪いのかい?」
「ちょっと、お腹が痛くて」
「それは心配だな。仕方がない、僕の車で送って行ってあげよう」
 遥香の仮病に気が付かない櫻井は、心配する素振りで彼女の手をぎゅっと握った。
 ありえない、と思った遥香は咄嗟に手を引っ込めた。
「だ、大丈夫です。一人で帰れますから……」
 声が震えた。仮に車で送ってもらったとしても、どんな見返りを要求されるかわからない。
「昨日の不審者メール、麻生さんも見ただろう?」
 櫻井が真顔になって訊いてきた。
 もちろん見ました、というふうに遥香は顎を引いた。
「ああいう連中は夕暮れ時にあらわれるのが普通なのだよ。そして困ったことに常習性が高いときてる。それこそ目的を果たすまで、何度でも、何度でも、狙った獲物にはとことん執着するだろうね」
 そうまで言われると、さすがの遥香も怖くなってきた。待ち伏せされている可能性だってあるし、凶器を所持していないとも限らない。
 いやそれとも……不審者は櫻井先生なのだろうか。
「やっぱり一人で帰ります」
 居ても立ってもいられない遥香は慌てて鞄を抱えると、さようなら、と挨拶をして図書室を出た。
「くれぐれも気をつけて帰りなさい」
 そんな声を背中に浴びたような気がしたが、遥香は立ち止まったり振り返るようなことはしなかった。


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