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祭りの日の儀式
【若奥さん 官能小説】

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ムラつく夜-1

 定例会の夜、臣吾が、ベッドで横になり趣味である鉄道模型のカタログを眺めていると、息子の結輔を寝かせつけたみなみが、ベッドに入ってきた。
「また買うの?」
 夫の趣味に口を出すつもりはないが、列車模型の数が多くなって置き場所にも困る。臣吾はNゲージと言われる鉄道模型をそれこそ子供の頃から収集していると聞く。
 ベースとなる線路をつなぎ、路線を作り、ジオラマと呼ばれる情景模型に仕立てていく。机サイズの大きさから、大きなものだとリビングサイズのジオラマを製作するような筋金入りもいるが、臣吾の場合、部屋の都合上、せいぜい畳1帖分ぐらいのものがようやくだ。それでも数が増えれば置く場所を考えなければならない。それをわかっているのか、渾身の1帖分がひとつと、机サイズのものがふたつだけに止めている。
 加えて、車両の模型は数十種類のコレクションを誇る。
 結輔も、電車をおもちゃとして見て喜んでいるので、みなみ自身もあまり口煩くは言わないようにしている。
「うん・・・祭りが終わったら、買おうかなと思って」
「そう・・・・・・」
自分の小遣いの範囲で賄っているし、仕事も熱心にしていて疎かにするようなこともないので、趣味ぐらいは好きにさせようと、とやかく言うことはしない。

「ねぇ、種の岩って知ってる?」
 みなみは先ほど仕入れた知識を、早速夫にぶつけてみた。
 唐突な質問に、臣吾は驚いた。
「何?急に」
 この地で生まれた臣吾にとって、種の岩のことを知らないわけはない。
「うん。私、今日初めてその話を聞いたの」
 みなみは、今日あった出来事を臣吾に話した。
「そうか・・・・・・。この町で育った人間じゃなければ、都市伝説ぐらいにしか思わないかもしれないけど、俺たちからすれば祖父ちゃん祖母ちゃんから伝え聞いた、古くからの習わしだと思ってるんだよ」
 やっぱりな、とみなみは思った。
「で、どう思った?」
 臣吾は率直に聞いてみた。
「どう?って・・・・・・外でエッチするわけでしょ。最初は、何それあり得ないと思ったよ。でも、話を聞いているうちに、何だか本当にご利益があるんじゃないかとも思えてきて。特にうちの場合はさあ、ほら、なかなか妊娠できないじゃない。それを考えると、試してみる価値もあるのかなって」
 臣吾からすると、予想外の返答だった。
 超能力とかUFOなどを、一切信じていないみなみのことだから、こんな迷信ばった古い因習など鼻で笑われるものだと思っていたからだ。
「試してみたい?」
「うーーん・・・・・・。今すぐにどうこうってわけじゃないけど、そういうことにすがる気持ちもわからないでもないかなぁ」
 即種の岩に行こうと思うことは無いようだが、多少なりとも興味はあるような受け答えだ。
「だってさ、もう一人ぐらいは欲しいじゃない。だから頑張ってるんだけど、実際はなかなか出来ないし」
 子作りだけが理由なのかどうかはわからないが、一応週2〜3回のペースでコトに励んでいる。
 その時の反応を見てみると、SEX自体が嫌いなわけではなさそうだけれど、好き者と言えるほどでもない。
 フェラチオも嫌がらず普通にしてくれるし、バックや騎乗位など体位のバリエーションもそこそここなす。
 ただ、あくまでもノーマルプレイに止まり、決してノーマルの域を超えることはないので、臣吾としては少々物足りなさを感じていることも確かだった。
 みなみは、自分で言うのも何だが、かなりカワイイ部類に入ると思っている。しいて言えば、『正統派のアイドル』的な可愛さだ。
 実際に、結婚前はかなりモテていたことも知っているし、付き合うことになった時はどれだけ嬉しかったことか。
 今でもその可愛さは保たれており、焔民の女性陣の顔ぶれを見渡しても、キレイ系の奈々子は別格としても、群を抜いた可愛さだと自負できるぐらいだ。
 そんなカワイイ女性のすべてを見ることが出来るだけで、今でも興奮してしまうくらいだし、決して上手くはないが、一生懸命自分のチンポをしゃぶってくれる横顔を見ると、つくづく幸せ者だなあと思ってしまう。
 けれど、飽きたわけではないのだが、長年の付き合いのせいか、マンネリ化してきたように感じることもある。そんな時、もっと刺激的な営みが出来ればと考えてしまう。
 種の岩の伝説にすがることは、つまり野外SEXを敢行することに他ならない。当然露出行為になるわけで、完全にノーマルプレイを逸脱する行為であり、本来であればかなり高いハードルであると言える。
 それが、幸か不幸かこの町の種岩伝説を知ってしまったことで、夫婦にとって新たな性のステージの扉を開くきっかけになるかもしれない。

「臣吾はどう思ってるの?」
「どうって?」
「子どものこと。もう一人は欲しいって言ってたでしょ」
「うん。その気持ちは変わってないよ」
「じゃあ、種岩のことはどう思う?」
「種岩伝説は良く知っているけど、まさか自分が直面するとは、今の今まで考えたことも無かったよ」
 臣吾は、これからの性生活への期待を思い浮かべていたことなどおくびにも出さず、ある程度本音を口にした。
「そうだよね。外でするなんて、普通じゃ考えられないもんね」
「種岩の伝説とは別で考えても、外でヤルには抵抗があるよ。でも、ちょっとドキドキもする」
 だが、もしかするとこのタイミングが、夜の生活へのイイ起爆剤になるのではないかと臣吾は考えた。直接的な表現は避け、ドキドキすると曖昧な表現を使ってみたのだった。
「ドキドキ!?って・・・・・・どういうこと?」
 少し恥ずかしそうに、みなみが問い返した。
「外でしてみたいって訳じゃないんだけど、もしそうなったらって考えると、何ていうか・・・・・・変な気持ちっていうのか、ちょっと興奮するっていうか」


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