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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第3章 刑事魂-6

その金髪の店員はあちこちの店員と仲良く喋りながら桜町を一通り歩いていた。そこで朱音が気付いたのは呼び込みと話をしながらも周囲を探るかのように確認している姿であった。先ほどのサラリーマン風の男と同じだ。この2人のように周りを以上に確認しながら歩いている者はいない。朱音はきっと2人はグルだと疑いを持った。。
(今日、何かありそうな気がする…。)
朱音はそう直感した。もし疑いのあるキャバ嬢狩りが行われるのであればきっと3時から5時の間だ。自分の休業中の店に戻って行った金髪の男とサラリーマン風の男が動くのを朱音は待った。

時間は3時。まだ動きはない。寒さが身にしみる。カイロなど寒さ対策はして来たが体の震えは止まらなかった。
それから1時間、まだ動きはない。夜明けが近づくにつれ自分の確信が少しずつ削り落とされて行く。やはり他の刑事の言う通り、自分の見解は間違っていたのだろうか・、そう思い始めた時に動きはがあった。
1人のゴージャスな美しい女性がハイヒールを鳴らしながら歩いて来る事に気付いた。人通りも殆どなく、もし狩りが行われるなら今しかないと言った状況だ。朱音の体から震えが消え、そして神経を研ぎ澄まし様子を伺っていた。

女性はスマホを操作しながら歩いて来た。その行方に注目していた朱音だが、悪い言い方ではあるが朱音の期待通りの方向に進んで行く。あのビルの方へ進んで行ったのだ。そして店の前の抜け道通路に差し掛かると、改装休業中である店のドアが開いたのだ。中からはサラリーマン風の男の顔が見えた。恐らくここに来る約束をしていたのであろう。2人は親しげな様子で初対面といった感じはしない。女性は何の躊躇いもなく店の中へと入って行った。

朱音が確信していたキャバ嬢狩りの推測とは全く異なるシチュエーションである。2人の様子からは犯罪性のかけらも感じられない。自分の勘が外れたかと自信を失いそうになるのを支えるのは、疑いが完全にはれるまで疑うのが刑事だと言う信念だ。あの中で事件が起きないとも限らない。夜の繁華街、密室の中でも男と女が一緒にいるだけでも犯罪は起きるのだ。朱音は今日一日無駄にしても完全に疑いがはれるまで張り込む事を決めた。

金髪の店員、サラリーマン風の男、入って行った女性…全員グルなのか、それとも男2人で女を騙そうとしているの、若しくは家族か…様々な状況を考えながら店の様子を監視していたのであった。


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