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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第2章 新鋭女刑事…だった頃-3

島田と手分けをして情報を集めた朱音。やはりキャバ嬢狩りという事件は東京の方で頻発しているようだ。ただ殺人まで発展している事件はなく、ほぼ全て強盗強姦事件であり、被害を訴えて来る女性はほんの僅かなのではないかと言う報告を受けた。泣き寝入りしてしまう女性の数を考えると明るみに出るその事件は氷山の一角である事が予想される。

「千城での事件は殺人にまで発展していますから、東京での犯人とは同一人物ではなさそうですね。事件を真似した模倣犯の可能性が高いですね。」
「だいたい金品目的なら普通に考えても連れ去る必要はなく、現場で奪って逃走すりゃいい筈だ。しかし連れ去るのは目的が金品だけじゃないって事だからな。半分金、半分性欲を満たす事が目的だ。しかし殺人にまでなると、金品や性欲だけでなく何かしらの恨みを持って犯行に及んでいる可能性がある。前者と後者は根本的に違うな、きっと。」
「キャバ嬢に恨みを持っている者の犯行、ですか?」
「その可能性が高いな。」
2人の考えは概ね一致していた。
「もう時間だ。一課長の所へ行くぞ。」
「はい。」

2人は報告書を持ち田澤のデスクに行った。
「失礼します。先ほどのキャバ嬢狩りの件についての報告書、宜しくお願いします。」
「分かった。」
田澤は自分の仕事を一時休止し報告書に目を通した。難しそうな顔をして報告書を読んでいる田澤に、何か指摘をされそうだとビクビクしていた島田と朱音。しかし報告を読み上げると険しい表情ながらも指摘はされずに済んだ。
「よし、もうこれ以上被害者を出す訳にはいかない。捜査も有力な手掛かりがなく難航している所だ。人員は必要か?」
「そうですね、殺人被害のあった界隈に繁華街が三ヶ所あります。一ヶ所に2人、自分らの他に二組4人お願い出来ればと思います。」
「分かった。しかし明日の初回はあくまで様子を見る事に留めてくれ。怪しい人間がいたら良くチェックして慎重に動くように。初日から逮捕など求めていない、分かったな?」
「了解しました。」
特に何もなく胸を撫で下ろした島田と朱音。しかしまた朱音が名前を呼ばれた。
(今度は何よっ…。ボタンは締めたし髪だってちゃんとしてるし。)
振り向きざまにげんなりした表情を消し田澤に顔を向けた。
「その方が隙がなく見えるぞ?以後気をつけるように。」
「了解です。」
敬礼してデスクに戻る朱音。
(早く捜査に出てこの堅苦しさから解放されたいわっ)
そう思いながら締めたボタンをついついいじってしまうのであった。


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