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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第2章 新鋭女刑事…だった頃-2

「キャバ嬢狩りか…、確かに身元を明かさず働く女性はたくさんいるし、急に出勤しない女性が多いならいちいち気にもしないかもな…。それに運良く命は助かっても泣き寝入りして被害を表に出したがらない女性も多いだろうしな。」
停まっている車の窓を開け半身を出し煙草を吸いながら島田は言った。

「早朝、張り込みますか?」
「そうだな…、張り込むか。」
「では早速明朝に。」
「いきなりか。お前、用事とかないのか?デートとか。」
「仕事優先ですから。デートの約束をしていてたとしてもキャンセルしますよ。」
「…彼氏が可愛そうだな…。」
「2ヶ月前に別れたんで問題ないです。まさにそれが原因ですけど。」
「そ、そうか…。」
「だいたい刑事の彼女を持ったらクリスマスだろうが、何だろうが事件が起きたら現場に行かなきゃならない事ぐらい理解してくれなきゃ困りますよ。こっちは遊びじゃないんですから。」
「ハハハ…」
「何がおかしいんですか?」
「い、いや…」
こんな女、彼女にするのも妻にするのも、娘に持つのも嫌だなと思った。同時にこいつはきっと出世街道真っしぐらな未来が待っているんだろうなと思った。男でもここまで仕事に燃える刑事はいない。きっとこいつは生まれる性別を間違って たんだな、そうとも思った。

「じゃあ本部に戻って許可貰いましょう。」
「そうだな。」
吉川は煙草を灰皿に捨て車を走らせた。

本部に帰り上司の捜査一課課長の田澤に事情を説明した。朱音はどうも田澤が苦手だった。まだ39歳と言う若さながら捜査一課を勤める彼が有能である事は間違いない。普段から物凄く厳しい。朝から欠伸をしようものなら形相を変えて叱り始め、服装の乱れにもいつも煩く注意してくる。手抜きのミスは大嫌いでもう反省出来ないよと言うぐらいまで反省を促す。イケメンと呼ぶには若くはないが、確かに精悍な顔立ちは男の色気を醸し出すダンディな男性であった。

「張り込む前に警視庁に問い合わせてそのキャバ嬢狩りと言う実態を掴むのが先だ。今から2時間後の17時までにその詳細を纏めて持って来い。それが今回の事件と関連性があると判断したら張り込みを許可する。いいな?」
「ハイ!」
島田と朱音は背筋を伸ばして敬礼した。そして背中を向けた瞬間に田澤が朱音を呼び止めた。
「立花。」
「は、はい。」
振り返る朱音。田澤は険しい表情をしながら言った。
「ブラウスの胸元のボタンをあと一つとめろ。あまり胸元をチラチラさせるんじゃない。」
「は、はい。すみません…。」
田澤はそう言ってデスクワークを再開した。

(今時の高校生だってこのぐらい外してるわよ…。ダサいじゃん…)
そう不満に思いながらもすぐにボタンを締めた。
それからデスクに戻り東京で起きているキャバ嬢狩りについての調査を始めたのであった。


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