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熱闘!全裸体育祭
【教師 官能小説】

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第5話『吹奏楽部と応援団』-2

 ……。


 わたしは体育科で、しかも担任クラスがない。 さらに着任序列が低いとなれば、必然的に放課後は部活三昧になるしかなくて……元々体育会系だからしょうがないか。 ただ、普段は『バドミントン部』と『陸上部』なんかも面倒見ているんだけど、この時期――体育祭を控えた9月――だけは、放課後は『学園應援指導部顧問』、即ち学園の応援団総覧に専念せざるをえない。

 部室には『應援指導部』と墨で大書した看板がかかっている。 字面からして、いかにも古風な体面だ。 嘘か真か、旧世紀に私学連合学長揮毫により製作され、二度の大戦を経てなお当時の面影を残す逸物らしい。   

 ガチャ。

 部室に入ると、

「牝忍!」「メッス!」「めぇぇすッ」

 パカッ、パカッ、パカパカパカッ。

 その場にいた全員がわたしに股間を向けてブリッジをつくる。 と同時に、一斉に耳をつんざく轟音が響いた。 運動部が『マンッ』と挨拶する一方、應援指導部では『おはようございます』『ありがとうございます』『さようなら』『こんんにちは』等の挨拶はすべて『牝忍(めす)』に統一している。 形式的には運動部に所属しつつ、出典不明な儀礼が最も多い部活なため、とかく應援指導部はヤヤコシイ。

 180度開脚した満開の花びら達。 学園の中でもっとも膣に気合をいれて御開帳する部活は、となればおそらく應援指導部に落ち着くだろう。 一挙手一投足に全力投球が旨なため、180度開脚といえば、ピタリ180度。 1度はおろか0.1度の誤差も認められない、何千、何万回という挨拶を経た開帳達。

 ブリッジの体勢からして他とは違う。 背中を全力で逸らし、頭のてっぺんと両足の裏のみ、3点でもって身体を支える。 手は床につけない。 胴体と床とがほぼほぼ水平になるように、ギリギリまで頭を逸らせる一方で腰は床スレスレになるまで落とす。 同時に足首を捻って爪先を身体の外へ向け、体の軸と足首とが垂直になるまで股を開く。 そのまま全呈御開帳だ。 膝が180度広がって膣を隠す一切の皺、肌をとっぱらい、これでもかとおっぴろげる姿は、一言でいえば『ひしゃげた凧』乃至『正方形をした蛸の干物』。 手を添えていないにもかかわらず体の芯にぽっかり拡げた女の持ち物を晒す姿は、無様、みっともない、下品といった形容を通り越したオゲレツさだ。 なお、両手はオケツに回して尻たぶを掴み、衆目につかない所で尻も割けよと菊の蕾を開帳している。  

 唯一ブリッジを作っていなかった少女が駆けよってくる。 両手を背中に回して握りこぶしを重ね、直立不動に背筋を伸ばす。 全裸に白襷を鎹(かすがい)にかけ、額に締めた白い長鉢巻きを腰にとどかせ、爪先から踵は白い足袋(たび)で覆い、両手に純白の手袋、腕には紫の腕章をとめた少女――Aグループ1組所属、應援指導部團長A13番だ。 

「牝忍! 本日団員5名、全員揃っております! ご指導よろしく願います!」

「「ご指導ご鞭撻、よろしくお願いいたします!!」」

 これでもかと背筋を伸ばし、必要以上に大声を張る團長に続き、拡がった花びらからも声が響く。 どのブリッジも腹筋をピクピク震わせ、力が籠った腹式呼吸だ。

「全員集合」

「「牝忍!!」」

 ばばっ、ブリッジから跳ね起きた團員たちが至近距離に息を切らして駆け寄ってくる。 どんな短距離であったとしても目上の指示には全力疾走で応える決まりだ。

「体育祭まで一ヶ月をきった。 来週からは、クラスの応援担当がリーダー研修にやってくる。 その意味は全員分かってるだろうね?」

「「牝忍!!」」

「牝の恥は晒しても、團の恥は一切許さないからね。 あとは團長を筆頭に、團旗の手入れからエール交換の文言まで、万全の準備を整える。 新人を鍛え直す以上、自分への甘さから捨てなさいな。 学園の応援のレベルを一にも二にも自分らでもって背負っていることは、努々(ゆめゆめ)忘れないように。 以上」

「「牝忍!!」」

 口をこれでもかと広げて挨拶する5人。 声の大きさだけでいえば、ここ数年で一番元気がないけれど、これ以上大きくても鼓膜が痛むのが関の山だ。 わたしは顎で團長をしゃくり、部室脇の床几に腰かけた。 ここからの指示は團長の仕事。 わたしは一々口を出したりせず、彼女たちの團員ぶりを確認する。 わたしの眼鏡に適えば無事に帰宅でき、ちょっとでも不届きがあれば団体責任で全員に補習クラスの指導を入れられる。 

 さて。 團長とは事前に今日の活動内容を打ち合わせている。 体育祭の応援練習に向けて、備品を整備点検すること。 何事も整理から活動は始まる。

「團員ちゅーもぉくッ」

「「牝忍ッ」」

 不手際を指導しようと私が手ぐすね引いてまっているからだろうか、團長を注視する視線、どの団員も必死そのもの。 特別指導が2回以内に収まればいいが、わたしの希望としては、5回くらいはトチってくれるくらいが丁度いい。 適度な指導、適度な自主性、そして適度な補習のもとに、快適で威厳ある部活が育つ。 

 とはいえ久しぶりの應援指導部だ。 しばらくは團長のお手並み拝見、といくとしよう。


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