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子供にはお菓子を、大人にはキスを
【幼馴染 恋愛小説】

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子供にはお菓子を、大人にはキスを-2

『クルミ、もう23でしょう。結婚のこととか考え始めてもいいんじゃない?』
『諒子おばさんから見合いの話が来てるんだ。よかったら会ってみないか』
 別れ際にふと両親が口にした言葉。
 それが頭の中で何度も繰り返されている。
 もう23だって。
 自分の中では「まだ23」なのに。
 友達は独身ばかりだし、全然焦る必要なんてない年齢だと思っていた。
 だけど、いつまでも子供のままではいられない。
 はやく大人になりなさい、と急かされているような気持ちになった。
 クルミには姉が三人いるが、三人とも二十歳になる前に結婚し、一番上と二番目にはすでに五人、三番目の姉は四人の子供を育てている。
 両親も結婚が早かったせいか、いまだに結婚して子供を育てることこそが女の幸せだと頑なに信じている部分もあるようだった。
 一方、クルミはまだまだ結婚に興味を持てずにいる。
 特に子供が欲しいとも思えないし、母親になった自分なんて想像もできない。
 なんだか、ずっと遠い世界の話に思えてしまう。
 現状は誰に迷惑をかけることもなくきちんと働いてひとりで生活できているし、心配される必要なんてない。
 だけどなんだか両親の言葉が胸に引っかかってしまうのは、自分でもこの先のことを考えるとつい不安になってしまうからだった。
 このまま年齢だけを重ねていくと、問答無用に女性としての価値は下がっていく。
 結婚しなかったとしたら、自分に残るものは何だろう。
 さほどやりがいのない仕事、狭苦しいアパートの部屋、わずかな貯金、あとは友達……?
 そこまで考えたとき、横から右頬をつままれた。


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