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「trip」 or Treat
【コメディ その他小説】

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全力疾走-2

「ンん?」
という言葉にならない疑問符を発して、突如、ユズルくんの動きが止まった。
「なんだオマエ……なんか、酒臭くね?」
…酒臭くね?
……臭くね?
………くね?
…………ね?
……………?

「えっ!?」

(しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!)
って、思ってしまったのがついカオに出てしまったのがわかって、アタシ思わず、手で自分の口もとを押さえた。

飲酒してたのバレる

子供じゃないのバレる
↓↓
小6のアカリじゃないのバレる
↓↓↓
正体バレる!!!

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいよコレゼッタイヤバいダメ、ゼッタイホンキでヤバいんですケド!!!

「アレ?………オマエ、それってもしかして」
とても落ち着いたユズルくんの声がして、大パニックの脳内からアタシ、引き戻された。

「そ、それって、ウケねらいのつもりかよ?」

ユズルくんは驚きと半笑いと、恥ずかしさの混じったような不思議な表情をして、アタシのほうを指さしている。
その指はふるえながら、まっすぐにこちらを指さしてた。

……アタシの、胸元を。

(なんかマジ、オッパイのとこ、スースーするカモ?)
ってナニ?ってゆーかナニ?
ポロリ?まさかのポロリ!?
不吉な展開を予感しながらアタシ、おそるおそる自分の胸元を見下ろした。

(なんじゃこりゃぁぁぁあああああ!?!?!?)

あわてて口もとを押さえたときに指に引っかけてしまったらしく、コスチュームの胸元を編み上げて結んであったヒモが、ほどけてしまったみたい。

すっかりあらわになったアタシのオッパイが、顔を出して並んでる。その恥ずかしい光景をすっかり、小6男子(女装中)の目に焼き付けてしまった。

ポロリ確定。
………………かと思いきや。

事実はそのさらに右斜め上をはるかに越えてマシタ。

アタシの、胸元。
確かにまあ、ポロリ状態だったんだケド。
贅肉のせいでカップ数が微妙なCカップが並んでるハズのそこには……

……肌色のハロウィンカボチャがふたつ並んで、見おろすアタシと、見つめるユズルくんを見つめ返していたのデス。

▲ ▲  ▲ ▲
 ●    ●
▼▼▼  ▼▼▼ …………こんな風に!!!!!


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