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まつりのあと
【女性向け 官能小説】

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1-7

「何?」


グッと距離を詰めて話しかけてくる遠藤くんに、あたしは訝しげに眉を寄せる。


「亜沙美、今日の話乗り気になった?」


「……今日の話って?」


彼の言わんとしていることは、そのどこかイヤラシイ笑みで大体わかるけど、あたしはあえてすっとぼけた。


でも、遠藤くんは特に気にせずヒヒヒと笑って耳打ちする。


「とぼけんなよ、ハロウィンのコスプレ計画だよ」


タバコを吸った後は必ず口に入れるという、ミント系のタブレットのせいか、彼の息はどことなく冷たくて、耳にかかった瞬間ゾクリと背中が粟立った。


「まだ、そんなこと言ってんの?」


好奇心を押し隠して白けた顔をしてみせても、彼は何でもお見通しのようにニヤニヤ笑ってこちらを見ている。


仕方ない、お見通しなのは事実なのだ。


あたしと筒井くんをなんやかんやで取り持ってくれたのも遠藤くん。


草食系男子と初めて付き合ったあたしの相談にいろいろ乗ってくれたのも遠藤くん。


その逆もまたしかり、女心を理解し切れていない筒井くんの相談に乗ってくれたのも遠藤くん。


あたしと筒井くんの恋について、彼は一番の理解者でもあるのだ。


だから、あたしが最近マンネリを感じているのも当然知っている。


フウ、と観念したようにため息一つついたあたしは、


「……筒井くんって、どういうのが好みなのかな」


とボソリと呟いた。


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