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まつりのあと
【女性向け 官能小説】

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1-6

「ま、そういう提案もあるわけだからさ。もし衣装の手配が必要ならお手伝いするぜ?」


遠藤くんはカラカラ笑うけど、なんだかあたしたちの間には微妙な空気が漂ってしまった。


結局その場はタイミングよく電話が鳴って、それぞれが業務に戻ったわけだけど。


あたしはコスプレセックスという響きが頭から離れなくなっていた。


さっきは、コスプレなんてとんでもない!! って剣幕だったけど、あたし達はただでさえレス気味。


言葉こそ発しなかった筒井くんだけど、あの照れ具合からすると、彼もまたコスプレに対して、少しは興味がありそうに見えた。


少し離れた自分のデスクからこっそり筒井くんの表情を伺えば、既に通常モードの涼しい顔。

そんな筒井くんは、もしあたしが何かになりきって目の前に現れたら、欲情してしまうのだろうかーー?








17時半が過ぎ、デスク周りを片付け終えたあたしは、タイムカードをガチャンと切ると、ちらりと筒井くんに目で合図。


どうやら会議を終えた部長から、会議の内容をまとめてくれと指示を出されたらしく、残業決定なのだとか。


多分この流れだと、資料まとめて、現場調査の準備のパターンだろう。


聞き耳を立てていた部長の会話で、遠方の地名が何度も出ていたから、近いうちに筒井くんは、出張になるだろうな。


ハロウィン、一緒に過ごせたらいいな。


そう思いながら事務所のドアを開け、廊下に出た所でまたまた喫煙室から出てきた遠藤くんと出くわした。


全く、スモーカーって人種はちょっと時間が空くとすぐタバコだ。


「亜沙美、帰るの?」


「うん、筒井くんも残業みたいだし、今日はまっすぐ帰る」


お愛想程度のスマイルを彼に向け、踵を返した、その刹那。


彼から放ったタバコの匂いが濃くなったような気がした。


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