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まつりのあと
【女性向け 官能小説】

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1-3

「何、またいちゃついてんのか?」


喫煙室で一服を終えたらしい、同期の遠藤くんがそう言いながら事務所に入ってきた。


前述の、筒井くんにアプローチした際に協力を仰いだもう一人の同期である。


一瞬でタバコの匂いがフワリと広がって、思わず顔が苦くなる。


あたしがタバコが苦手なのを知っているくせに、遠藤くんはわざとあたし達の横を通り抜けて、自分の席に着いた。


「亜沙美、オレにもコーヒーちょうだい」


筒井くんの隣のデスクに座った彼は、頬杖をつきながらニヤリとこちらを見た。


「セルフでしょ、自分で淹れなよ」


「冷たいねー、彼氏にはちゃんとコーヒー淹れてあげるくせに」


「うるさい、わかったわよ」


図々しい、と思いながらも結局ワガママをきいてしまうのは、コイツがちょっぴりカッコいいせいか。


日焼けした浅黒い肌によく映える白い歯をニンマリ見せた遠藤くんに、わざとため息を吐いてやってから、クルリとすぐ後ろの戸棚に向き直った。


見た目だけなら、正直筒井くんよりもタイプだったりする。


ガッチリした身体つき、精悍な顔立ち、すっきりとした短い髪。


元カレ達に通ずる、肉食系男子である。


そんな彼は、入社早々あたしに粉をかけてきた時があった。


だけど、元カレとの恋で疲れていた当時のあたしには、肉食系男子に軽いトラウマができてしまったので、どうしても受け入れられなかった。


こういう軽い、チャラい男は、恋人なんかじゃなくて、単なる同期でいるくらいがちょうどいいのだ。




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