投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

【SM 官能小説】

宴の最初へ 宴 18 宴 20 宴の最後へ

宴 〜狂艶〜-7

「……ねえ」
「ん?」
コーヒーを飲み干した智佳は、隣に腰掛けた胤真を見やる。
「……何で今日、塩井さんが部屋に来たの?」
「あー、それな……」
歯切れも悪く、胤真は呟いた。
計算が狂ったとは、口が裂けても言いたくない。
−胤真と美咲は、もともと四〜五年前から付き合いがある。
草薙本家の跡取りが学ぶ帝王学の中身には、『女性操作術』というのが含まれていた。
そのサンプルケースとしてあてがわれたのが、美人だが可愛いとなどという誉め言葉とは無縁な性格をした美咲である。
胤真のお付きとなったその日、美咲はいきなり胤真の童貞を奪った。
美少年のおいしいエキスをたっぷり搾り取って、後はポイ。
たぶん美咲としては、その程度の軽い気持ちだったはずだ。
だが相手は幼いとはいえ、既にいっぱしのサディストだった胤真である。
童貞とは思えない冷静さで、胤真は美咲を屈服させる。
そして、様々な調教を施した。
心の通わない体だけの関係だったが、それだけ長い間続けば何がしかの感情は湧く。
美咲の場合、それは独占欲だったようだ。
だから自分より付き合いが長く、なおかつ胤真が執心している智佳を敵視したのだろう。
だが胤真は、美咲に飽きていた。
智佳を手に入れて長年の辛抱も吹っ切れたし、美咲を傍に置く意味も薄くなったので、別れ話を持ち掛けるべく自宅へ呼び寄せたのである。
が、そこに誤算があった。
期日を明日と指定して呼び出したはずなのだが、美咲が今日と勘違いしたらしい。
そこにシャワーを浴びて準備万端の智佳が登場したものだから、怒り狂って智佳をめちゃくちゃにしてしまったのだろう。
おかげで智佳を屈服させるため、色々と練っていたプランは全部廃棄せざるを得なかった。
だが、この一件で智佳の胤真に対する警戒心はだいぶ薄れたようである。
こういうのを、怪我の功名と言うのだろうか。
「ちょっと用があって呼び出したんだけど……」
言葉を濁しつつ、胤真は智佳の腰に手を回した。
「!」
智佳はぴくっと体を震わせるが、あからさまな抵抗はしない。
「……駄目」
様子を見ながら手を進めようとした胤真を、智佳は拒否した。
「今……そういう風に触られるのがちょっと、恐いから」
「……そっか」
「ごめん……代わりに、してあげるから」
胤真が問い返すより早く、智佳は体を伏せる。
そして穿いているズボンから肉棒を取り出し、口に含んだ。
「っ!」
敏感な部分を優しく舌で包まれ、胤真は腰の筋肉を痙攣させる。
「ん……あむ」
たちまち充血してきた代物を、智佳は丁寧に舐めしゃぶった。
根元を片手で支え、もう一方の手で棹をしごきながら亀頭を唇と舌とで愛撫する。
玉袋を優しく揉みながら、喉の奥まで肉棒を飲み込む。
やり方が、やけに手慣れていた。
胤真はあの初めての彼氏以来智佳の男関係にはかなり気を砕いてきたから、あれ以外に男はいないはずだが。

ちゅぽんっ……

頬をすぼめて淫棒に吸い付いている智佳の髪を、胤真はかき上げてやる。
−胤真に対する警戒心が薄れた事の現れだろうか。
智佳が自分から奉仕してくれるなんて、初めての事だ。
その興奮が、胤真を射精へと駆り立てた。
「と、智佳っ……イクぞっ」
その言葉を聞いて、智佳は肉棒に深く吸い付く。
次の瞬間智佳の口内に、胤真の熱いエキスが満ちた。
「んっ……!」
「あ……ティッシュティッシュ」
いきなり飲ませるのも酷だろうと、胤真はティッシュを重ねて差し出す。
唇をすぼめた智佳は首を横に振り、苦い液体を飲み込んだ。
「飲めるのか……大丈夫か?」
「胤真の、だから……」
呟くように言ってから、智佳が一瞬妙な顔をする。
だがすぐに体を伏せ、肉棒の中に残っている精液を啜り出した。
「……塩井さん、どこ行ったの?」
用は済んだのになおもてろてろと亀頭を舐め回しながら、智佳は尋ねる。
地下室の後片付けをした智佳が上に来た時、既に美咲は姿を消していたのだ。
「生きてはいるけど……聞かない方が身のためだと思う」
逡巡し、胤真はそう告げる。
「……そう」
恐ろしげな末路など知らない方が良いと、智佳は自分を納得させた。
「……大丈夫か?」
「ん……お願い、あるんだけど」
「何?」
智佳は両腕を、胤真の首に回す。
「今夜一晩でいいから、甘えさせて」


宴の最初へ 宴 18 宴 20 宴の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前