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スイッチ、オン 〜 The actress on through the lens
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第十章 覚醒・もう一人の私-4

 「…というわけなの。私ったら、こんなことを…こんなことをしてしまった。」
 俺はアーちゃんの頭に手を乗せ、抱き寄せた。
 「済んだことはいいじゃないか。むしろ、君のすばらしい才能を見せつけられた思いだよ。ね、これでおあいこにして終わりにしない?」
 「ありがとう、ありがとう。でもね、終わりじゃないの。」
 「どういう…こと?」
 「このあと、シンジくんが私に言ったの。いつでも連絡くださいよぉ、歓迎しますからぁ、って。」
 「する訳ないじゃん、連絡なんて。あんなに傷ついたのに。」
 「…今の動画から三日後、私はまたここに居たの。」
 「え、なんでさ。またなんか仕組まれた?」
 「違うの。どうしようもないぐらい傷ついた私は、時間とともに立ち直っていった。それにはあなたの存在も大きかった。」
 「ああ、そういえば何だか元気のない頃があったね。」
 「うん、たぶんその時。ただ…。」
 「どうしたの?」
 「立ち直ると同時に私の中にある欲求が膨らんでいった。」
 「まさか?」
 アーちゃんはコクン、とうなずきスマホを操作した。別の動画が始まった。この部屋にあるベッドの横に膝立ちになり上半身は布団にうつ伏せになっているアーちゃんだ。彼女はそのまま首だけこっちに向け、何かを確認するような目をした。
 もう一度うつ伏せになると、左手をスカートの裾に持って行ってめくりあげた。ピンクの下着が見えている。中央部分はギュ、っと喰い込んでいる。それもめくって下に下げていき、足首から抜いた。お尻が丸出しだ。カメラが寄っていく。足の付け根のあたりがなんの障害物もなく晒されている。ブヨブヨした唇の様なものに挟まれた谷間も、その奥にチョコっと可愛らしく顔を覗かせている突起も。
 それらを見せているうちに徐々に息が荒くなっていったアーちゃんは、お尻の中央の菊の花びらに両手の中指をあてがい、一気に開いた。あう、という悦びの声をカメラのマイクが拾った。そのままグイグイと力をかけて開こうとするが、意外と強情なそこは口を開けようとしない。
 アーちゃんは左の中指を口の方へ持って行った。たぶん、しゃぶっている。十分湿らせたところで花びらの中心に突き立て、右手はさっきと同様に開く力を掛けながら、左の中指を強引にねじ込んだ。
 強情なそこも今度は指の進入を止めることは出来ず、ズブズブと埋まっていく。その指を、アーちゃんはかき回した。切ない息を漏らし、腰をカメラの方へ突きだし、ああ、見て下さい、という目をしながら。
 「最後までは見なくても分かるでしょう?私、やめられなくなってしまったの。終わった後はいつも恥ずかしくて悲しくて後悔ばかりなのに、気がつくとまたここに来ている。今見てもらったのなんて、ソフトな方。私、もっととんでもない事を…。胸に、お尻に、そして…。」
 「アーちゃん…。」
 「もう一人の自分になって、見られながら恥ずかしいことをして、カラダ中に悦びの波動を響きわたらせる。もう、やめられない。」
 その時、部屋の奥から人の気配がした。
 「やめる方法、あるにはあるんですけどねぇ。」
 「シンジ!貴様あ。」
 「まあまあ。」
 「おまえ、アーちゃんの動画をネットで流したりしないだろうな。」
 「もう、流れてるの。」
 「な…。」
 「オトコを知らないくせにヨガリ狂う娘が居るってぇ、大評判シリーズなんですよぉ。」
 「…いいのか、アーちゃん。」
 「いいんですよぉ。っていうか、ルリアさんの希望ですからぁ。」
 「そうなの。ネットに流されて、どこの誰とも分からない人たちに私の酷い有様を見られると思うと…ゾクゾクが止まらないの。」
 ふう、と一息ついてから、俺はシンジに話しかけた。
 「…なあ、シンジ。」
 「なんですかぁ。」
 「さっき、やめる方法があるって言ってたよな。」
 「はいぃ、方法って言うかぁ、原因を絶てばいいだけなんですけどねぇ。」
 「原因?」
 「そろそろ気づいてもいいんじゃありませんかぁ。ルリアさんがなぜこっちに走ってきたか。」


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