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HAPPY HELLOWEEN 〜ハッピー・エロウィン〜
【学園物 官能小説】

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第3話『フランケン娘の電気ショック』-1

HAPPY HELLOWEEN 〜 ハッピー・エロウィン 〜

第3話『フランケン娘の電気ショック』


 コンコンコン。

 吸血姫の姿が見えなくなったと思ったら、間髪入れずに本日3組目の来客。 確かにここは『学園』の近所ではあるけれど、それにしたって、ひきもきらずに賑やかなものだ。 

 ガチャリ。 ドアノブを回して玄関に出れば、

「トリック〜オワ〜トリート〜♪」

 おっとりした歌声と共に、制服姿の少女がペコリ、お辞儀をする。 上半身を倒した拍子に、ブルン、少女の乳房が『B2番』と書かれたネームプレートと一緒に豪快に揺れた。 カッターシャツから下乳すべてが溢れる勢いの、いかにもパンパンに張っていて、ロケットおっぱいという表現が似合う乳房だ。 豊胸だろうか、それとも天然モノだろうか。 在学中は肉体改造に規制がかかっていたから、詰め物で大きくしたわけじゃなく、多分元々巨乳だったんだろうけれど、それにしてもボリュームがある。 つい巨乳娘のおっぱいに見とれていると、

「失礼します〜。 このコは、あたしが創造したコなんですけど〜……ちょっと〜、いつまでもそんなとこにいちゃダメですよ〜。 ほらぁ、隠れてないで、前に出る出る〜」

 背後から、体に小さな布を貼った少女が現れる。 巨乳娘とは比べ物にならないが、それでも十二分に豊満なおっぱいと腰のくびれを備えていて、見応えがあるスタイルだ。 ただし、スタイルよりも、肌を彩る異様な模様に目がいった。 体の彼方此方に灰色の当て布を貼っていて、布の縁にはツギハギがあててあり、あたかも全身が出来の悪いヌイグルミのよう。 直接肌に『傷口に似せたペイント』まで施してあって、街灯の陰から現れた瞬間は、本当に全身大怪我を負っているかと勘違いしそうになった。 

「ほらほら〜。 せっかくいい感じにグチャグチャなんだし〜いいお顔、誰かに見て貰わなくっちゃね〜」

 巨乳娘がツギハギ娘の背中を押す。 よろめきながら私の前で門柱に照らされた少女は、面積が小さい布地衣装や奇抜なボディペイントもさることながら、

「ぶっ、ぶひっ……ぶぶぅ……」

 個性的な顔をしていた。 というか、見るも無残な、醜く下品に仕立てられていた。

 左右8相称の鼻フックでもって四方八方に拡張した鼻からは、わざわざ伸ばしたとしか思えないレベルで、剛毅な直毛鼻毛が伸びている。 両目ともに後頭部をグルリと回った『開瞼器(かいけんき・瞼を開いた状態で固定する器具)』が嵌っていて、白目の輪郭まで丸見えだ。 口はしっかりボールギャグが噛ませてあり、しかも通常より一回り大きいサイズなせいで、口全体がフグのよう。 鼻、目、口から体液が流れ、遮るものがないため顔中をベトベトにしながら濁流が合わさり、ボトボト、顎から下に垂れる。 

「ぶふっ……ぶひゅっ」

 垂れた鼻汁も涙も涎も、地面に落とすことのないよう、ちゃんと躾けられているんだろう。 ツギハギ娘は、両手で乳房をしっかと掴み、寄せてあげて谷間をつくる。 そうして辛うじて窪みになった胸の谷間でもって、ツギハギ娘は自分の体液を受けとめていた。 既に谷間には汁溜まりが出来ていて、涎が零れるたび小さな波紋が新しく生まれる。

 谷間の先には『布絆創膏』が両乳首に貼ってあり、『布絆創膏』からはコードが伸びて、膣の中へと続いていた。 一瞬用途に戸惑うも、『布絆創膏』に『体外式除細動パッド』と印字されていることで、疑問は氷解する。 絆創膏は『除細動器』、つまり『高圧の電気ショック』を与える機械らしい。 膣の中にはさしずめ電源装置を咥えていて、コードを通じて絆創膏に電気を送るんだろう。 左右どちらの向きかは知らないが、乳首から乳首へ心臓を介し、高圧電流を流す仕組みとみた。
 
 ここに至り、私はツギハギ娘の仮装元を確信した。 醜い容貌、継ぎ接ぎ(つぎはぎ)の肌、電気ショック、これらが象徴するモチーフは1つ。

 正式名称『なし(通称クリーチャー)』。 別名『アダム』『惨めな者』、一般的に『フランケンシュタイン』で知られた人造人間。

 旧世紀中頃、ガルヴァーニ電気の発見、電気による死体の躍動反応(死者蘇生)、エラスムス・ダーウィンの個体発生説等に着想を得た怪奇譚から産まれた想像の産物だ。 生化学を修めた大学生が、理想の人間をつくろうと死体を集めて切り貼りし、高圧電流で命を吹き込んだことで、世にも醜い生物が生まれたとされる。 サイエンス・フィクションの先駆けであり、主演俳優の役名が『アンダーバー』で記されたり、『フランケンシュタインの葛藤』と呼ばれる倫理命題に発展したりと、小説を超えた奥行きを備える。

「あらあらぁ、また一杯にしちゃったんですねえ〜。 じゃあ、そろそろヘアトリートメントしましょうか〜」

 そういうと、巨乳娘がツギハギ娘の谷間に溜まった涎を右手で掬い、べちゃり、ツギハギ娘の髪になすりつけた。 口角泡を飛ばした液体が髪に纏わりついて光沢になるが、同時に唾特有の生々しい薫りが一気に広がった。 髪の一本一本が空気に接して匂いをまきちらすわけだから、当然だ。 

「……うぶぅ……」

 ツギハギ娘がかすかに首を振り、ちょっとでも俯こうもがいてみるも、鼻水が垂れそうになり慌てて顔をあげる。 ツギハギ娘の顔は、涙のせいもあるだろうし恥ずかしいせいもあるんだろう、頬全体が紅潮している。 私がこれだけ匂うんだから、ツギハギ娘当人は、自分が悪臭の源だとあきらかなわけで、体臭と羞恥は相応なはずだ。 本来ならせめて目を閉じたいところだろうが、開眼器具が許してくれない。



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