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母の仕事
【母子相姦 官能小説】

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母の仕事-2


悟が来訪者を確信したのは廊下を歩いていくとどこかからひそひそとした話声が聞こえてきたからだった。
ドキッとした悟は本能的に足音を殺した。
父が暮らしていた頃から一階は両親の領域で二階は悟の領域だった。
その住み分けは新しい暮らしが始まってからも変わっていない。
物音は一階、悟の部屋に向かう階段を通り過ぎた先から聞こえてきた。
少しの間悟はじっとしてみたが何も聞こえてこなかったので、そのまま自分の部屋に戻ろうと足を踏み出しかけると廊下がきしむような音が聞こえてきた。
やはりどうも一階に誰かが廊下にいるようだった。
しかし、そっと足音を忍ばせて廊下に進んでいき、母の部屋の前までいったが部屋の中からは何の物音もしなかった。
気のせいだったのかな?
踵を返して階段に向かおうとした悟は視界の端で何か動くものを捉えた。
!?
物音は台所からしていた。
何が…?
そう思いながら近寄っていくと台所の入口にかかったすだれの隙間から覗いたもの。
それは悟が一番見てはいけない姿だった。

慌てて身を隠したが、悟はたしかに見てしまったのだ。
それは驚愕したような母陶子の顔と、そして一糸纏わぬ姿だった…。

悟は何とか息を整えながら自分の部屋に戻っていった。
さっき台所で見た光景が嫌でフラッシュバックしてくる。
…さっき見た裸の女性は…そう、裸だった女性はたしかに母陶子だった。
その向こうにはよく見ていなかったから確信は持てませんでしたけれど誰かがいたような気もする。
それは誰だったのだろう?
陶子は誰とも知らぬ人と裸のまま台所で何をしていたんだろう?
高校生になった悟はその答えの大部分は分かってしまった。
だけど、それを認めたくない思いから悟は何度も頭を抱える事になった。
解けかけているそのパズルを完成するまでに悟は何度も頭の中でぐしゃぐしゃと壊してはまだ組み直す無為な事を繰り返した。
頭の中はすっかりこんがらがっていて、考えすぎるほど考える内に悟はいつしか眠りに落ちていった。

それは悟が幼い頃、小学校から帰ってきて台所に入ってきた時のことだった。
引っ込み思案な悟は同級生のからかいの的にされやすく、よく泣きべそをかかされて帰ってくる事がよくあったのだ。
陶子はそんな事がよくあったので帰って来た息子の目の周りが赤く腫れているのを見ると、すごく悲しそうな瞳で何も言わずに悟を抱きしめてくれるのだった。
そんな時悟は誰に何をしてもらうよりもずっとずっと深い暗闇から救い出されるような思いを感じられた。
優しく、綺麗な母陶子は悟にとって何よりの…。

目覚めは最悪だった。
顔を枕に埋めていたの事もあってなんとなく顔が腫れぼったく頭も重い。
しかし腹は減っていたので、仕方なく台所まで降りていった。
すだれをくぐってきた悟を見ても台所にいた陶子は何も言えない様子だった。
もちろんもう裸ではなく、いつものようにブラウスに長いスカート、薄いピンク色のエプロンを身につけておりまさしくいつもの陶子だった。
しかし陶子の表情からは血色が失われ、その事がかえって悟に朝見た事が真実だったと絶望的なリアリティを与えてくる。

「慰謝料は…支払われたけど」
「あの人…仕事を辞めたみたいで」
「養育費も…払われなくなって…」
「仕事も…なかなか続かなくて…」
「…職場の友達の…紹介で」
「…で…たいんだけど…でも…」
「……………」
始めは母の言葉に聞き入っていた悟も途中から悟の頭の中をまるで素通りするように何も入ってこなくなった。
ぐずぐずとした陶子の言葉を聞くその内に悟の胸の奥にやり場のない怒りがこみ上げてくる。
やがて爆発するように「うるせぇな!好きにすりゃいいだろ!」と叫ぶと悟は家を飛び出すと、その日悟は生まれて初めて無断外泊をした。
とはいえ泊めてくれそうな友達もいないし、いたとしても理由を話す気にはとてもなれなかった。
仕方なくそれまでほとんど行った事のなかった駅前の24時間営業の漫画喫茶に入った。
そこで晩ごはんを食べ、狭いシートを倒して無理に眠ろうとしましたけれどそれでも頭に思い浮かんで来るのは朝の陶子の裸体とあの驚いた表情だった。
翌朝、目を覚ました悟の携帯には陶子からの着信が30件を超えていた。
家に帰ると一睡もしていないように目を真っ赤に腫らした陶子の姿を見ると、怒りも失せてしまい頬を叩かれても怒る気も起きませんでした。
そして、それから陶子の仕事は日常になっていった。


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