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母の仕事
【母子相姦 官能小説】

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母の仕事-1

悟の家に帰る足取りはいつものように重いものだった。
何となく日が落ちるのが早まってきた秋の夕暮れ時、何となく郷愁に誘われるのは偶然なんかではない。
秋を迎える町はいつだって薄暗く、秋は暗黒の冬に向かって澱んでいく季節だからだ。
悟の学校がとっくに冬服に衣替えしていても肌寒くなってきた頃。
ふと悟は学生服のズボンのポケットから携帯を取り出した。
手慣れた様子でメール画面を開くと一件の新着メッセージが来ている。
送信元の名前は陶子とうこと表示されていた。
悟の母親藤谷陶子からのものだった。

高校生である悟にとって母親からのメールほど憂鬱なものはない。
中身はたった一行だけのショートメール。
「今日は急に仕事が入ったから。九時過ぎ頃まで」
たったそれだけだった。
仕方なく一旦家に向かっていた悟は再び駅に向かって歩き出す。
とりあえず晩ごはんをどこかで済ませて…それからどこかで時間を潰さないと。
特に行くあてもなかった悟はいつものように駅前の漫画喫茶に入り、個室でさっさと食事を済ませることにした。
夕方の漫画喫茶の店内は学生達の話声で騒々しいくらいだった。
しかし席に着くなり店のパソコンに付属しているヘッドホンを身につけて既に自分の世界に入る悟の邪魔にはならない。
これからしばらくの間はここでやり過ごさないといけない。

悟が小学校だった頃はこんなことはなかった。
当時悟の父親は外資系の企業に勤めていて、母陶子は専業主婦だった。
いつだって悟が家に帰れば母陶子は家にいましたし、それは当り前の事だった。
風向きが変わったのは悟が中学校の時だ。
仕事が忙しいと家庭を顧みなかった父と母の仲はすっかり冷めきってしまっていた。
めざとい悟は幼いころからその事は分かっていたけれど。
悟が幼いころから母陶子の口から父の名前が漏れる時はいつだって愚痴とセットになっていたのだから。
それをずっと聞かされてきた悟はいつも母親の言う事を聞き流す癖が身に付いてしまったけど、それは同時に父を軽んじる思いも育まれてきた。
父はそんな息子の態度も嫌だったのだと思う。
そして、悟が中学二年生の時に両親の夫婦生活に限界が訪れ破綻した。
そのことを悟は自分でも少し意外なほどショックを感じなかった。
当時の担任だった教師には悟の姓が変わる事も含め事情を説明したが、その事で悟に気を使って接してくる担任を疎ましく思うほどだった。

陶子が働き始めたのは離婚してすぐの事だった。
長年専業主婦をやっていた彼女にとっては仕事先を見つける事さえ大変だったろう。
仕事に馴染む前に辞めてしまう、そんな事を繰り返して職を転々とする内にいつしか陶子は心身ともに疲れきってしまっていた。
悟にとっても母との新しい生活は楽なものではなかった。
父から出た慰謝料と養育費で当面の生活こそ成り立ったが、働きに出るようになった陶子を起こさないために朝は自分で早めに起きなければいけなくなったし、ゴミ捨ても悟の仕事になったからだ。
晩ごはんこそ陶子が作ってくれていましたが、仕事によっては遅くなるためその時は悟が陶子の分まで作る事になっていた。
たまたま悟がそうしたことを苦にしない少年だったから良かったが、これまで家事などほとんどやったことのない悟にとっても新しい暮らしは慣れるまで大変なものだった。

悟が母陶子の新しい仕事を知ったのは偶然からだった。
高校に入った悟は電車通学を始めたのですけれど、ある日電車の中で立ちくらみを起こしてしまい倒れてしまったのだ。
周りの乗客と駅員に連れられて駅の待合室で休憩する間、陶子の携帯に電話をかけた。
今日はたしか仕事があるとは言われていなかったからだ。
しかし何度かけても出なかったため、仕方なく回復を待ってから自分で帰る事にしたのだ。

その日は雨が降っていた。
気付かなければよかったのかもしれない。
見ないまま生きていければ良かったのかもしれない。
ずっと何も知らないままでいられる方がきっと良かったのだろう。
悟はその時心からそう思った。

まだふらつく足取りのまま雨が降り止まない帰り道を歩いていた。
まだ朝の時間帯だったけど、通勤通学のピークは外しているため人影は天気もあってまばらだった。
何となく気分も沈みがちになりそうな晩秋だったこともあるかもしれない。
だから悟は陶子の携帯にまったく繋がらなかったことに何となく胸騒ぎを感じていた。
なんとなく湧きおこってくるざわめくような思いの正体は一体なんなのか、悟には分からなかったけど、歩調は自然と早くなっていった。

雨が降り続く家にはどことなく誰もいない廃墟のような寂しさが漂っていた。
もしかしてもう買い物に出かけているのかな?
そう思いながら玄関の扉を開けると、悟は一瞬心臓が止まりそうな思いを感じた。
そこには見なれない男物の薄汚れたスニーカーがあった。
ふと父が戻ってきたのだろうか、と思った。
しかし、それは考えにくいことだった。
父が今更戻ってくるはずはないし、戻ってきたとしてもこんな若い男が履くような靴で来るはずもない。
なら誰だ?
もしかして泥棒か?
そう思考しかけた悟の目にその考えを打ち消すように、そのスニーカーの隣には陶子が普段使いしている黒いブーツも見受けられました。
誰か…来ているのだろうか?


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