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愛の輪舞
【近親相姦 官能小説】

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愛の輪舞-12

12.
ある日美佐子は、身体の変調に気がついた。
(もしかして妊娠?)
今更妊娠は無いだろう。しかしこの感覚は、身に覚えのある妊娠以外には考えられない。
(妊娠したとすれば、春夫さんの子。あの精力、頻度から考えれば、夫とは考え難い)
肌が若返るなら、子宮や卵巣が若返ることもあるだろう。

どうしよう?
マユの子と自分の子を、同時に差別無く育てられるだろうか?
独りでさえ大変なのに、二人も抱えて体力が持つだろうか?
夫と春夫の反応も気に掛かる。
堕して知らん顔をしようか?

時々催す吐き気を悟られないように、ストレスが溜まる。
意を決して、家から離れた産婦人科を訪ねた。

「奥さん、残念だけど妊娠していませんね」
「えっ、どお言うことですか?」
「まれにあるんですが、子供さんが欲しいと願うばかりに、想像の思い込みが極端になって、あたかも妊娠したかのような症状を呈することがあるんですよ。なにか心当たりはありませんか?」
「はあ、言われてみれば、〜ええ、〜かもしれません、どうもお世話を掛けました」
医者に深々と頭を下げて、逃げるように医院を飛び出した。
ほっとする反面、なにやら大事なものを取り逃がした空しさが胸に残った。



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