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5センチの景色
【女性向け 官能小説】

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「大人の恋がしたいんだろ?」
「・・・・」
「どうする?駅に行くか?」

楽しそうに私の答えを待つ安達さんは
きっとオフィスラブなんか何回もしていて
新入社員の私を、大人なんかに見てくれなくて。

きっとからかっているだけなんだろう。

ハイヒールの良く似合う、パリッとしたスーツの
綺麗な女性が、背の高い安達さんにピッタリ寄り添って
同じようにくすくす笑っている図がポンと頭に浮かんだ。

対して、私はヒールの高くないパンプスに(だって楠さんがいつも急げって言うから)
よれよれのスーツに(だって山田さんがいつも残業させるから)
お化粧だって落ちかけてる(昼に化粧直ししたきりだ)

安達さんは、同じように仕事が忙しいはずなのに
しわのないスーツに酔った様子もない涼しい顔で
楽しそうに笑っている。

大人の恋なんか、し慣れたように。

たまには子どもでもからかってみるか、って感じ。

「安達さんの家で」

考えるよりも前に口から出たその言葉に
自分自身に少しだけ満足した。

「運転手さん、行き先は変更なしで」

安達さんは楽しそうにそう言ったまま、背もたれにゆっくりと沈んだ。


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