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海外赴任
【フェチ/マニア 官能小説】

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ダリアの引継ぎ-1

いつも通りに目覚めた僕は、サイドテールの時計を確かめてもうすぐ9時になる時刻を確認していた。昨夜相当飲んだエレナに期待はしていなかった。初日にあれだけ悪戯されて飲まされたエレナには応える翌朝だろうと理解していたからだった。タバコに火を点けて寝起きの頭を覚ましていると、扉をノックする音と共にエレナの若い声が廊下に響いていた。

「おはよう。起きる時間よ」

エレナは約束通りに僕を起こしてくれていた。扉に向かって微笑んでエレナの行動を見守ってあげていた。

「9時よ。起きる時間よ」

再び扉を強くノックする音が心地よく部屋に響いていた。タバコを吸いながらそれでも放置してエレナの行動を見守っていた。

「開けるわよ」

大きな声で扉を開けたエレナは昨日買ったプリントTシャツとジーンズ生地のホットパンツで僕を探すようにあたりを見渡していた。

「やだ、起きてるの。起きる時間よ」

僕を見つけたエレナは安心したように笑って、約束通り起こしたからね。とウインクをして部屋から出ていってしまっていた。

リビングに戻るとエレナの手料理と冷えた冷水ボトルがテーブルに並べられていた。朝食は、ベーコンエッグとホットサンドにパイナップルとヨーグルトだった。ホットサンドを手に取り、テーブルに置かれた朝刊に目を通す振りをしながらエレナの様子を伺っていた。

「珈琲はもう少しで出来るわ」

目が合ったエレナは忙しそうに応えを返して一生懸命に仕事をしてくれていた。リビングに目を向けると、昨夜のパーティの面影は全く無く部屋の空気も入れ替えられているようだった。絨毯に埃はなく換気窓から外の喧噪が微かに部屋に聞こえていた。エレナの仕事振りに関心してしまっていた。

「珈琲よ」

朝刊に視線を向けて関心しながら食べる僕の視界に、淹れたての珈琲の香りを伝えるように陶器を優しく置いてくれていた。

「エレナ凄いな。素敵な朝だよ」
「ありがとう。でもこの後、10時にダリアさんが来る。だから私は忙しいよ」

振り返って見上げたエレナは、忙しく調理道具を片付けて真面目な表情で時計を見ては手元を動かしていた。家政婦としてのエレナは非の打ちようがない働き振りだった。一生懸命に調理道具を洗うエレナに満足した僕は、作ってくれた朝食に感謝しながら幸せな気持ちで始まりの朝を迎えていた。

朝食を食べ終えた僕はシャワーを浴びて、こらから来るダリアに備えていた。ダリアは29歳の人妻だ。それでもその手の家政婦として勤める働き方は一流そのものだった。僕の仕事の秘書をこなしながらも、突然犯すように襲っても色気ある仕草でリアリティある人妻を演じて全ての期待に応えてくれる女性だった。何もない平日は、アダルトビデオを観ながら極上の世話をしてもらうのもダリアの重要な仕事だった。今日の僕は仕事をするつもりはない。エレナに仕事を教えて貰うことと僕の世話をして貰うだけでダリアの今日の仕事はお終いだった。その時に備えてエレナには部屋に篭ってもらう必要がある。だから少し脅すようにエレナに声を掛けていた。

「ダリアは昨夜ホテルに泊めている。だから、時間通りに来ると思う。ダリアが来たらダリアの仕事がある。だから挨拶を終えたら僕が声を掛けるまで部屋にいなさい。分かるか?」
「分かったわ。でも少し緊張するわ」
「大丈夫。エレナに仕事の引き継ぎが終われはダリアはもう来ない。それまでの間だけだ。僕はエレナの味方だから心配ない」
「分かったわ。わたし頑張るよ」

10時が近付く柱時計を眺めるエレナは、落ち着き無くダイニングを磨いてダリアの到着に備えているようだった。


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