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bitter bitter sweet
【コメディ 恋愛小説】

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♥重い男♥-6

「な……んで、そう思うの?」


「ええ、逆に気付かなかったの!? あんなにバレバレなのに!?」


「バレバレ?」


「そーだよぉ! 本人は平然ぶってるけど、里穂ちゃんが話しかけると顔真っ赤にして、目を泳がせて、超挙動不審なんだからっ。もう天野くん可愛過ぎったらありゃしない!」


オネエでも恋バナは大好物らしく、彼は自分の両頬を手で押さえては身体をイヤイヤするようにねじってはしゃいでいた。


こういう所は立派に女子なんだよなあ、と思いつつ、あたしは天野くんのことを思い出していた。


天野雄也(あまのゆうや)くんは、名は体を表すって言葉通り男らしい男の子だ。


背は185センチもある長身なのは、大学でバレーボール部に所属してるかららしい。


ガッチリしたその身体つきに、ちょっぴり強面な天野くん。


小野寺くんと同時期にスウィングでアルバイトを始めたせいか、存在感はイマイチだったけど、男らしい人がタイプって女の子には、きっと天野くんはどストライクだと思う。


だけど。


「……実は今日告白された」


言ってしまってから、すでに時計は12時をまわっていたことに気付いたけど、まあどうでもいいや。


うん、天野くんの告白はどうでもよかったのだ。


でも、小野寺くんの方はどうでもよくなかったらしく、大きめな瞳をさらに見開いて、キラキラさせながら身を乗り出してきた。


「ええー!! ついに、ついに天野くんが告白したの!? やだぁ、すごいテンション上がるぅ!!」


鼻息荒くこちらに顔を近付ける小野寺くんと、あたしの温度差はきっとすごいことになっているだろう。


「それで!? 里穂ちゃんは何て返事したの!? ヤバい、結構いいかも天野くんとのカップリング」


「……断ったよ」


「ふえ?」


小野寺くんは間抜けな声を出して、ピタリと身体が固まった。


小野寺くんって要領がいい人だから頭の回転も早いんだろうけど、意外と抜けている所もあるんだよね。


……そもそも告白をOKしてたら、天野くんが隣にいるのに小野寺くんと電話でおしゃべりしたり、こうして小野寺くんの家に泊まりにくるわけがないじゃん。





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