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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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最愛なる娘-8

まるで子供のように泣き続けた歩美。そんな自分を抱きしめているのがまるで優里なのではないかと思う程の温かさで若菜は歩美を抱きしめていた。

「愛されてたのよ、ずっと。ねっ?」
「はい…」
ヒック、ヒックと肩を揺らしながら答えた歩美。
「私も母親に自慢の娘だって言われたわ。母親に自慢の娘だって言われるの、嬉しいよね。でも私はそんな立派な娘じゃないって思ってた。だから天国から見ているお母さんにもっともっと立派になった姿を見せる為に今まで頑張って来た。だから歩美ちゃんも天国から見ているお母さんを喜ばせるぐらいに頑張らなきゃね?安心出来るぐらいに幸せにならなきゃ、ね?」
「はい…」
歩美は暫く若菜の胸に甘えていた。そして少し落ち着きを取り戻すと歩美は若菜に言った。
「お母さん、笑顔はなくても私にずっと愛情を注いでくれた。怪我した時は無表情だったけど優しく手当してくれた。風邪を引いた時は愛想ない顔をしながらも汗を拭いてくれて、水を飲ませてくれて、そしてずっと側にいてくれた。何より小さな頃からずっとずっと私の手を握っててくれた。そんなお母さんに、本当に愛されているのか疑いを持ってた自分が嫌になります。謝りたかった…。生きているうちに今の話を聞きたかった…。」
弱々しい声でそう言った。

「お母さんは身を持って強い女性をあなたに見せてくれたのよ。本当に強い人間は背中で人生を見せてくれる物なのよ?お母さんは強くて立派な人だわ。それを証明するのは歩美ちゃん、あなたよ?お母さんをより素晴らしい人に出来るか出来ないかはこれからのあなた次第。落ち込んでる暇はないわ?あなたの人生はまだまだ続くの。お母さんに分けて貰った幸せを無駄にしてはダメ。」
「私は…」
まだこれから何をどう生きていいか分からない歩美は不安でいっぱいであった。そんな不安を若菜は理解していた。
「これからはお母さんの代わりに私が背中を見せてあげるわ?私だって殺人犯から警視総監にまで登りつめた女よ?置いていかれないよう、しっかりついて来なさい、ね?」
「上原さん…」
若菜はニコッと笑う。
「ま、美しさだけは私には一生敵わないと思うけど、ねっ?」
そんな言葉に歩美は少しだけ笑みを浮かべた。
「私の方が美人ですょ?」
「どうかな??」
「どうでしょう?フフ…」
若菜は歩美から腕を離した。そして両肩に、気合いを入れるかのようにポンっと手を置いた。
「お母さんも私も追いかけてるものは一緒。レイプ犯罪を撲滅する事と女性を強くする事。歩美ちゃんも一緒でしょ?お母さんのしたかった事をするお手伝い、してあげる。」
「はい…。ありがとうございます。」
歩美は頭を下げた。

どんな形で人生を生きて行くのか自分でも分からない。ただ母親にとっていつまでも自慢の娘だと言われるような人生にしたいと思っている。母親も認めていた、この目の前の上原若菜と言う女性の背中を追って行く事こそ自分にとって必要な事なのかな、そう思っていた歩美であった。

歩美の新たな人生が、今始まる。


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