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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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最愛なる娘-5

暖かい眼差しを画面の向こう側にいる歩美に向かって話し始める。
「歩美?」
その一言だけで涙が溢れた。小さな頃からその声で名前をずっと呼んでくれた。どんなに辛い時も優里の声には安心できた。母親の声…胸がいっぱいになる。
「歩美?ろくにお別れの言葉もかけてあげられなくてゴメンね?」
事前に録っていたと言う事は、優里は初めからあの結末を決めていたと言う事だ。歩美は優里が何をしようとしていたのかを感じられなかったことが悔しく感じた。歩美はじっと優里を見てめていた。
「歩美?きっと私は歩美に不安を抱かせてここまで来てしまったであろう事を後悔してる。歩美はずっと私の顔色を見ながらいい子でいようとしてくれてたよね?お母さん、分かってたよ。そんな人生を歩ませてしまって、私はいつも申し訳ない気持ちでいっぱいだったの…。でも私の歩美に対する正直な気持ちを歩美に伝えないまま死ぬのだけは嫌だったの。いつか話そう、話そうと思っているうちに今日まで来てしまって、こんな形で伝えなきゃならない事を許してね?」
優里はそう言って深呼吸をする。

「私は湯島武史に、小さな頃に彼に酷い仕打ちをした復讐を受け、婚約者と無理矢理別れさせられて湯島武史と結婚させられた。そこで待っていたのは地獄のような日々だった。女として、人間としての尊厳を踏みにじられ、本当に地獄のような日々だった。でもある日、急に私は解放された。何故とか考えるより先に湯島武史から解放される事が嬉しくて体一つで婚約者がいた九丈島に逃げるように飛んで行った。彼も湯島武史に酷い目にあって、先に九丈島に行かされてたの。私は九丈島でその婚約者と再会して、そしてようやく結婚した。式も何にもなかった。書面だけ提出して2人だけでお祝いした結婚だったけど、私はそれでも世界一幸せな女だと思えた。結婚してから一日ごとに深い傷が少しずつ埋っていくような気がした。そんな時、お腹の中にあなたが出来た事が分かったの。私達は凄く喜んでね。お互い湯島武史に負わされた傷から立ち直る希望だと感じたのよ、歩美を。そしてあなたが産まれた時、辛い過去から決別し新たな人生が始まったと確信出来たの。お父さんもあなたの事ばかり気にしてね、本当に幸せ一色だった。私は初めて親となり、あなたには私のような不幸な人生は絶対に歩ませない…、そう誓ったのよ。本当に希望に満ち溢れた日々だった…。」


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