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祭りの日の儀式
【若奥さん 官能小説】

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22年前のあの日-4

 聡太と美也子の二人は、後背位(バック)でつながっていた。美也子が立ったまま種の岩に手を突き、尻を高く上げ、聡太が美也子の大きなお尻を抱えるように腰をぶつけている。いわゆる立ちバックで合体していた。
 近距離ではないため、結合部がモロには見えないが、互いに下着を脱いだ状態になっている下半身ははっきりと見え、腰が打ち付けられるたびに豊満な腰回りからヒップにかけての肉が揺れているのもわかった。
 二人まではやや距離があり、暗がりであることから性器自体を確実にこの目で確かめることは出来ないが、それでも初めて見る性行為は、ひどく生々しかった。
 聡太の腰が、美也子の大きな尻を突き上げるたびに揺れる大きな胸。巨乳を凌駕する爆乳の持ち主である美也子ならではの、ブルンブルンと上下左右に揺れまくる光景は衝撃の一言だった。
 
 その爆乳を後ろから揉みしだかれている。久美は、女性の同級生の胸などは見たことがあるけれど、男に胸を揉まれている姿をこの目で見たのは今日が初めて。驚きのあまり呆然としてしまっている。
 美也子が、下半身を突かれ、胸を揉まれるたびに悩ましい声を上げている姿に、下半身が熱くなってくるのがわかった。
「あぁぁんっ、ああぁああっ、イキそう、イキそう」
 髪を振り乱して悶える美也子。
 聡太も、再び美也子の尻を抱え込み、勢いよく腰をぶつける。その度に顔を歪め喘ぐ美也子。これが快楽の表情なのかと久美は思った。
「ああっ、イク、イクーーー」
 ビクンビクンと美也子の身体全体が波打つように、痙攣しているように見えた。
 これが絶頂感「イク」ということなのか。初めてみる女性のイク姿に、久美の身体と思考は固まった。横にいる聖子に至っては口を開けたままポカンとしている。
「ううっ、美也子イク。イクぞ」
 美也子がイッた後も腰を振り続けていた聡太が絶頂を迎えたようだ。
「はぁぁぁっ、あーーんっ。また、またイク、イっちゃうー」
 連続して絶頂を迎える美也子の断末魔の咽びが、辺りに響き渡った。

 久美は避妊具の知識はあったが、この種の岩でそんなものを着ける者などいないことはわかっている。聡太は、美也子の中で射精したに違いない。
 肩で息をする聡太と美也子。荒い息遣いの中、二人は抱き合い唇を重ねた。
 そして、美也子は跪き、発射したばかりでも依然として屹立している聡太の肉棒を口で咥えた。丁寧に舐めあげているのは、肉棒に付着した精液を一滴残さず舐め取ろうとしているからだろう。それはそれは愛おしそうに舐めている。
 聡太もお清めを受けながら、美也子の髪を愛おしそうに撫でている。
 これは相当なショックだった。頭をハンマーで殴られたような、と表現することはよく聞くが、ハンマーどころではない。爆弾が直撃したようなとんでもない破壊力だった。
 久美としては、男性器を初めて見たこと、フェラチオという行為を直に見たこと、それが良く知る二人だったこと自体にもかなりのショックを受けたのだが、それ以上に射精後の男性器を舐めることが、『聖なる儀式』のように感じたことが衝撃だった。

 最初のうちは、興奮し、SEXが見てみたい気持ちで一杯だったが、愛の行為に見え始めた時から、後ろめたさを感じ始めていた。
 ここでの性行為は、単なる興味本位、性的嗜好、性生活の一部などではなく、純粋に愛を確かめ、子供を宿すための聖なる行為なんだと久美は思った。
 この崇高とも表現できる愛の行為は、そこら辺に転がっている欲望を満たすためだけの、雑誌などに掲載されている淫猥で低俗なSEX写真とは一緒くたになんてできない。そう思ってしまうと、今すぐにでもこの場から離れなくてはならないと思った。

 古くからの言い伝えの通り、スケベ心で覗き見ると天罰が下るというのは確かに的を得ている。それこそ言語道断な行為なんだと久美は心底思った。そんなスケベ心の塊で、自分がここまで来てしまったのは、とんでもなく恥ずべき行為だと自戒した。
(このまま天罰が下っても仕方ないかな)
 聖子もそう感じたのか、しんなりと俯いている。
(行こう)
 久美が促すと、聖子も無言で頷いた。
 二人に気付かれる前に帰ってしまおうと思ったのではなく、この『覗き見』という恥ずべき行為を犯した自分たちが、いつまでもこの場に居続けることに抵抗があったから・・・・・・。
 帰り道、終始無言の二人。乗ってきた自転車に乗る気力もなく、トボトボと押しながら歩いた。
 二人とも罪悪感で一杯だった。久美の部屋に戻っても、大した会話もせず床についた。
 が、興奮と様々な感情で、二人は朝まで一睡もすることが出来なかった。


「久美。起きてる」
 時計が7時を回った頃、聖子が声を掛けた。
「うん。起きてるよ」
「もう帰るね」
 聖子は、『共犯者』と一緒にいることで、罪悪感が膨れ上がってくることに耐えられなくなったと言った。
「うん。気を付けてね」
「うん。・・・・・・ねえ、昨日の事なんだけど。みゃーこちゃんに謝った方がイイかな?」
「うーん・・・・・・気持ち的にはわたしもそう思ってるんだけど、何て言っていいのかわからないんだ」
「わたしも・・・・・・そう」
「どうしようか・・・・・・」
 恥ずべき行為だったと後悔すると同時に、美也子たちに対する申し訳なさも溢れてきていた。
 かと言って、謝るにしてもどう切り出していいのかもわからず、結局は何をするでもなく悶々と過ごすしかなかった。


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