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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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最後の聖戦 不死蝶VSサーガ -10

「そして私は、ようやくその目的を果たせる状況を今、作りました。今、この手で、この銃でこの男の頭を撃ち抜けば、それは容易く叶う事。全てのレイプ被害者の苦しみを込めて、私はこの男を撃ち抜きます。」
視聴者全員が緊張感に包まれる。慌ただしくなったのは警察側だ。特に若菜は。
「マズいわ、マズいわよ!ねぇまだ見つからないの!?誰か止められる人はいないの!?」
ここまで焦る若菜は本当に珍しい。それはここまで若菜が振り回された事件は過去にはなく、初めての経験だからだ。それはいかに海老川優里が大きな敵なのかを物語っていた。

佐川の頭に当てた銃を、優里はゆっくりと下げた。
「その前に言わなくてはならない事があります。それは目的を果たす為に事件に何の関係もない多くの人達の命を奪ってしまった事です。私のした事はテロ。私はテロリストです。どんな理由があれ、全く関係のない人達の命を犠牲にして、こうしてのうのうと生きていられる私はとても許される事ではありません。私は被害者家族に対して、昨日までのごく普通の当たり前の幸せを奪ってしまった…。いくらお詫びしてもお詫びしきれない事です。それでも私は被害者の家族の皆様に謝らなくてはなりません。本当に申し訳御座いませんでした。」
優里は深々と頭を下げる。ゆっくりと頭を上げた優里の表情の変化に、歩美はどこか違和感を覚えた。

「本来なら1人1人の遺族の方々の前で謝罪しなくてはならない所ですが、申し訳ございません。私には今すぐやらなくてはならない事があるのです。それは…犠牲になられた方々へ、私は1人1人の前で謝りに行かなくてはならないからです。」
その言葉に殆どの人間は頭の中にハテナマークが浮かんだ。しかし歩美と若菜は同じ反応を見せた。
「まさか…ダメよそんなの!!」
歩美は鉄格子を掴みながら、若菜は画面に手をかけながらそう言った。

「私は…あの世で被害者の皆様に直接謝罪をして参ります。」
それはすなわち自らも命を絶つと言う意味であった。それをいち早く察知した歩美は動揺を見せる。
「誰か!誰かこの鉄格子を開けて!!ロックを解除して!!」
不死蝶の仲間がロック解除を試みるが、何故か解除ができない。
「だ、ダメです!解除番号が変わっているみたいです!」
「な、何で!?ま、まさかお母さん…初めからそのつもりで…」
歩美が優里を見つめると、全てを包み込むかのような笑みを浮かべているのが分かった。
「お母さん!ダメ!ダメよっ!わ、私を置いて行かないで!!」
優里は笑みを浮かべたまま穏やかに言った。
「歩美…、普通の母親でなくてゴメンなさい。私の人生をあなたにまで背負わせてしまった。あなたの呪縛を解くには私と言う存在がこの世から無くなる事。私は母親の最後の務めとしてあなたを自由にするの。」
「私はこの人生が好き!!お母さんのいない人生なんか意味がない!!ヤダよ…ダメだよ!!」
泣き叫ぶ歩美を宥めるような表情と口調の優里。
「私がいない人生でこそ、歩美は歩美の人生を歩めるのよ?私は自分勝手な母親だった。あなたに幸せを与えてあげる事が出来なかった。もしまだ私にも幸せになる権利が少しでもあるなら、歩美に全部あげる。それが私に出来る最後の事だから…。」
優里の表情は娘を思う母親の優しい表情に変わっていた。


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