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秘密の淫らなマッサージ
【調教 官能小説】

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秘密の淫らなマッサージ-2

 子供のころから、由奈は夏が好きだった。
 そのなかでもとりわけ大人たちがお盆休みに入る時期には、じっとしていられなくなるほどわくわくする。
 遠く離れた田舎にある祖母の家で、つまらない勉強や両親の小言から解放された楽しいことばかりの時間を過ごせるからだ。
 自宅の3LDKのマンションとは比べ物にならないほど広々とした祖母の家は、古びた平屋建ての屋敷ではあったが部屋数が多く、うっかりひとりで廊下を歩き回ると迷ってしまいそうになる。
 いつもは口うるさい両親も祖母の家では久しぶりに会う親戚たちとお酒を飲んだり麻雀をしたりするのに忙しいらしく、由奈は自由を満喫することができる。
 裏庭で珍しい草花をつんで花輪を作ってみたり、すぐそばを流れる小川で綺麗な色の魚をすくってみたり。
 屋敷の中を隅々まで探検してみるのも面白かった。
夜遅くまで星空を眺めていても叱られることはない。
 同じ年頃の子供がいないことを寂しく思うこともあったが、祖父母や親戚たちはいつも優しかったし、由奈のことを特別に可愛がって相手をしてくれる大人もいた。
 その人のことを、由奈は「先生」と呼んでいる。
 彼はいつも夕方頃になるとやってきて、祖父母や両親たちのマッサージをして帰っていく。
 でっぷりと太った中年の男性で、いつも白衣を着て人の良さそうな笑顔を浮かべている。
 みんなが『先生は本当に腕がいいねえ』『先生に揉んでもらうと、生き返ったみたいな気分になる』などと言っているのをよく聞いた。

 先生と由奈が友達になったのは、ある雨の夜のことだった。
 星空も見えず、外にも出られない退屈な夜。
 部屋では両親が並んで先生にいつものマッサージを受けているところだった。
あまりにも気持ちよさそうなので、由奈は自分もしてもらいたいと両親に頼んだ。
 ところが『子供がするものじゃない』『こういうのはもっと大人にならないと体に毒だ』『お金もかかるのにもったいない』と突っぱねられた。
 酔っていたせいか、言い方もちょっと乱暴だった。
 なんだか悔しいような気持ちになって、目に涙が滲んでくる。
 なによ、自分たちばっかり。
 気に入らない。
 つまらない。
 すごく腹が立って、悲しくなった。
 いつものようにひとりで縁側に座ってみても、黒い空には月も星もない。
涙がぽろぽろ流れてくる。
 足元にあった古いバケツを蹴り飛ばしてみても、足の爪先が痛くなっただけで気が晴れない。
 そこへ、ちょうど仕事を終えたばかりのマッサージの先生がやってきた。
 先生は泣いている由奈の隣に座り、よしよしと頭を撫でてくれた。
 大人ばっかりずるい。わたしだってマッサージしてほしい。
 頬をふくらませて拗ねる由奈に、先生は優しく笑ってこう言った。
『いいよ、由奈ちゃんにもしてあげよう。でも叱られちゃうからみんなには内緒だよ』
 いまはおこずかいを持っていない、お金が払えないと心配する由奈に、先生は『お金なんていらない』とまた笑ってくれた。
 大きな手に軽々と抱き上げられ、由奈は先生の膝の上にのせられた。
『良い子だねえ、もう泣かないで』
 優しい声。
肩や背中を撫でるように揉んでもらったが、大人たちが言うほど気持ちよくはない。
 それでも、みんなと同じことができたと思うと誇らしいような満足感があった。
 涙はすっかりひっこんで、由奈は先生に抱っこされたままキャアキャアと声をあげてはしゃいだ。


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