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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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過去からの足音-7

「この場所はもう取り壊した方がいいのかも知れない…。みんなが私に気を利かしてかこれまでこのままになっていたけど…。私もこの小屋を壊してしまうのは嫌だった。でも思った。私はこの場所に来ると急に前に進む気持ちが薄れてしまう…」
マギーはどう答えていいか分からなかった。
「でも寂しくないですか?ここがなくなったら…。」
「まぁね…。」
若菜がそう言った瞬間、涼しげなそよ風が扉の向こうから吹き若菜の髪を揺らした。
「ん?」
若菜は何かを感じた。山の中の木々の匂いに混じり、明らかに自然の物とは異なる匂いが混じっていた。それは女性用の香水らしき匂いだ。若菜は振り返り扉の方向を見る。
「まさか…!」
若菜は急に立ち上がり扉に向かって走り出した。
「え?」
慌ててマギーも後を追う。若菜は入口を飛び出し周りを見渡していた。
「どうしたんですか!?」
若菜はまだ周りを見渡しながら答えた。
「今、女性用の香水のにが微かにしたのよ…。」
「え?まさか…。こんな山奥に誰もいないですよ…。…、ま、まさか…先輩の幽霊とか!?」
「相変わらず洞察力がないって言うか鈍感って言うか…」
「な、何ですか!?」
「海老川優里よ!もしかして私達をここから見ていたのかも知れないって事よ!」
「えっ!?でも誰もいないじゃないですか!?」
「簡単に見つからない自信があるから私達の様子を見に来たのよ!」
「いくら何でもそんな大胆な事…」
「するわよ、彼女なら。でもどうして私達に接近する必要がある…?何かを試してる??何を…」
若菜はそう言った瞬間、何かが閃いた。
「あ!」
「な、何ですか!?」
「この小屋の裏には田口が用意した抜け道があるのよ!田口は先輩を殺した後、その抜け道を使い県道に出て私達をまいたのよ!」
若菜は小屋の裏手に回り、生い茂った草をかき分けながら畦道と化した抜け道を走る。
「キャッ!キャッ!」
虫だらけだ。マギーは半分狂乱しながら若菜を追った。やがて吊り橋が見えた。マギーは息を切らしながら虫から逃れてようやく草むらを出る。

「いた…」
「えっ?」
若菜の言葉にマギーは吊り橋の向こう側を見た。すると田舎の山奥にいるには違和感を感じずにはいられないほどの美しい女性がファッションショーに出て来るようなドレスに身を包みこちらを見ている事に気付く。
「彼女が海老川優里…。」
ようやく対面した海老川優里に若菜は思わずじっと見つめてしまう。海老川優里は穏やかな笑みを浮かべながらこちらを見ていた。

「初めまして、上原若菜さん!やっとお会い出来て嬉しいわ!本当はお茶でもしてゆっくり話したいんだけど、もう決着の時がそこまで来てるわ。それが終わって機会があれば是非!」
そう言ってニコッと笑った瞬間、吊り橋の中央付近で爆発が起きた。
「キャッ!」
思わずしゃがんでしまったマギー。煙は海老川優里の姿を遮った。

煙が消えた後にはもう海老川優里の姿はなかった。予想はしていた。だから吊り橋を渡る事はしなかった。若菜は海老川優里のいた場所をずっと見つめていた。

「宣戦布告って事ね…。海老川優里は佐川健吾を監視下に置いたって事か…。佐川健吾が不死蝶に捕らえらるのも時間の問題ね。こちらも急がなきゃ。」
決戦はそう遠くない未来に起きる事を感じた。その場所は海老川優里に何らかの由縁がある場所であるのは確かだ。若菜は刑事人生をかけてその場所の特定を急ぐ事を決めた。

「海老川優里…」
その姿はあまりにも美しく可憐なテロリストであった。


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