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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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内通者-13

渚は心の中で何かが蠢く感情を抑えて中央署の屋上に向かった。屋上に出るともう夕方になっていた。オレンジ色に染まる街並みがこれから闇に包まれるであろういなぎ市は幸せなのか、不幸なのかとただ漠然と考えながら見つめていた。

その時、スマホが振動した。スマホを手にすると若菜からの着信であった。悩んだ時や落ち込んだ時、いつも不思議と若菜から電話が来る。と言うよりはいつも悩んだり苦しんでいるからそう感じるんだろうなと、渚は自分でも分かっていた。

「大変な一日だったわね。お疲れ様。」
「いえ。吉川君やさとみちゃんのお陰でいち早く腐った膿を出す事が出来たので感謝してます。」
そう言った後、散々悩んだが、やはり報告しなきゃいけないと思い渚はゆっくりと言った。
「東署の捜査の中で、吉川君が…」
そう言いかけた時、若菜が渚の言いづらそうな気持ちを読んで言葉を被せるように言った。
「派手にやっちゃったみたいね、吉川君。」
「え?知ってたんですか…?」
「本人から電話があったわ、さっき。渚ちゃんの口から言わせる訳にはいかないって、ね。」
「気を使わせてしまいましたね…。吉川君、いい子ですね。勘は鋭いし洞察力もある。能力も高い。性格も言葉使いもいい。でもあんないい子があれ程まで拳銃を振り翳せる子だなんて、正直驚きました。あの現場、正直怖かった…。」
「彼は公安で中東にも出向き捜査をしてたからね。あっちではヤラなければヤラれる、そんな世界だから。日本の現状から考えれば過剰に思えて仕方がないわ?」
「若菜さんは、吉川君の行為をどう判断されますか?私はやり過ぎかとは思いましたが、東署のしていた事を考えればやむを得ない状況だったと思いました。でも世間はそう簡単に納得しないでしょうから…。」
「私も吉川君を守りたい。でも私はもう隠蔽とか嫌。あった事は全て公にすべきだと思うし、吉川君もそれを望むと思うのよね。だから下手に庇う事はしない。きっと覚悟の上だったと思うの。一気にカタをつける状況だと判断しての行為だった、そう言ってたわ。」
「そうですか。」
「でも私は吉川君を全力で守るわ?」
若菜の言う守るとは、決して庇うとか、そう言う意味ではない事は分かる。どんな結果になろうと吉川を守ると言う意味である事はすぐに理解出来た。そんな若菜に、また一層尊敬の念を感じた。
「実は私もさっき、東署の署長の取調べで、署長の頭を机に叩きつけてしまいました。」
「え?マジ…?」
「はい。そんな事絶対してはいけない事だと分かってます。でも感情が抑え切れなかった…。だから吉川君の気持ちも分かります。」
「そっか…、まぁ私も感情に任せて人殺しちゃってるから何とも言えないけどね。アハハ!」
そう笑う若菜だが、渚には笑えなかった。
「まー、署長から訴えられたら渚ちゃん上手くやりなよ?私には関係ないしー、面倒臭いから聞かなかった事にしてくれる?♪」
「あー、酷くないですかーっ!?」
「アハハ!代わりにはら、ダストロだっけ?前に一緒に行ったあの超美味しいチーズハンバーグあるトコ!そこでご飯奢ってあげるからさー。」
「パフェ付きですよね??」
「しょーがないなー。付けるわよ♪」
「じゃあいいです♪」
最後は渚の心を明るくしてくれた若菜に感謝する。

「明日、2人をお返しします。」
「吉川君、そっちに残って渚ちゃんの捜査のフォローするから暫く帰らないって言ってたわよ?」
「えっ…?そ、そりゃあ2人がいてくれたら助かりますが…」
「じゃあ使ってやって?2人をしっかりと教育してね?」
「わ、私、教育出来るほど…」
「あなたはもうそう言う立場なのよ?それにその資質も十分にある。あとは他にセックスのアドバイスとか♪」
「あ、そっちなら出来ます♪」
「だよねー♪」
「フフフっ♪」

結局最後は下ネタだった。渚は若菜からパワーを貰った気がした。

内通者どころか一つの警察署が事件に関与していたと言う驚くべき事実が発覚した衝撃の一日が終わろうとしていた。


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