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燃えたぎる愛欲
【近親相姦 官能小説】

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燃えたぎる愛欲-8

8.
(やっぱり)
剛志は、ハワイから帰ってきたエリの顔を見て、憂鬱になった。
楽しかるべき新婚旅行が、思ったようにならなかったことが明白だ。
当面はさりげなく、ことの成り行きを見守るしかない。

貞夫の生活は、元に戻った。
相変わらずの残業と仕事の持ち帰り。新婚の甘い香りは、影もない。
隠しカメラの観察に寄れば、貞夫はエリを避けるようにベッドでも背を向け、初めて迎えた土曜日にようやく愛を交えたが、ことが済むとあっけなく貞夫はエリから離れ、背を向けて寝入ってしまった。
(おマンコがしたくて、結婚するんだろう?俺の時には、初めの1年は毎晩やったもんだ)
剛志には、貞夫の消極性はセックスの無知より、どうも性欲の弱さに原因があるように思われた。
途方に暮れた剛志は、二人を前に説教をする気にもなれず、時は経っていった。

駅前のスーパーにエリがいた。 
ビーフ、ポーク、チキン、ラム、ソーセージ、・・・エリは、ソーセージの棚の前で足を止めた。夕食の材料を買いに来たのだ。 
 (今週もあなたサボったから、今夜は罰ゲームよ、いいわね)
普通なら週二回は欲しいエリだが、週一回の交わりさえもパスされる状況になると、欲求不満でストレスがたまる一方だ。

ソーセージの棚には、太さ、色、さまざまなソーセージが、パックされて並んでいる。食生活が豊かになって、ソーセージの種類がずいぶんと増えた。
エリは、これはと思うパックを手にとっては、品定めに余念がない。
罰ゲームの第一段階、今夜使うソーセージの品選びは、エリにとっては、隠微な思い出につながる。
エリは、元彼のケンを頭に浮かべていた。

エリには、1年近く付き合っていたケンがいた。 ケンは、一応大学は出ているが、取りたてた技術もなく、派遣であちこちと渡り歩いていた。 仕事は駄目でも、愛嬌があって、セックスは上手だった。
 
エリは迷った挙句、貞夫を選んだ。あの蕩けるようなケンとの営みは忘れ難いものがあるが、子供を生んで、育ててと考えると、そろそろ区切りをつけるべきだと思った。
典型的な企業戦士の貞夫は、連日残業続きで、家庭を振り返る余裕はない。安心して家を任せられるエリには感謝をしながらも、夫の務めは睡魔に勝てない。
新婚当初は、週一回を何とか守っていたが、昨今は、それすらも逃げ腰である。 

パックに並ぶ生ソーセージの色艶は、ケンの逸物を連想させた。
「彼のはこの位だったわ。火が通ると縮むから、これくらいでいいわね」
エリは、バーベキューで人気の高い、太目の生ソーセージを選んだ。


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