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デザートは甘いリンゴで
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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10.発覚-4

 その腕の中でずっとその身体を震わせていた美穂は、やがて落ち着きを取り戻し、大きなため息をついて誠也に顔を向けた。
 「ごめんね、びっくりさせちゃって……」
 美穂が申し訳なさそうに言った。
 「どうしたの? 急に泣き出しちゃって……」
 「泣きたくなるほど人を好きになること、あるのね……」美穂は照れたように目を拭った。「歌の世界だけの話だって思ってた。男の人ってそんな風にはならないの?」
 誠也は恥ずかしげに美穂を横目で見た。
 「なるよ。っていうか美穂にだけそうなる」
 「ほんとに?」
 「俺さ、君と初めて抱き合ったとき、これって単に身体が欲求不満になってて、だれかとヤりたいって思ってただけかも、って一瞬思ったんだ。勢い余って君を抱いてしまったけど、それは美穂でなくてもそうなってたかも、って」
 「……うん」
 「でもね、その夜、家に帰ってベッドに横になってもずっと眠れなくて……」
 「何か考えてたの?」
 「あの頃は妻のエリと一緒に寝てたんだけど、その、すぐ隣にいる人間がますます遠くに感じられて、何の感情も持てないようになってた。まるで人形と一緒に寝てる感じ」
 「そうなの……」
 「それからは、ベッドに横になると時々、寝付く前に胸がぎゅって締め付けられるように痛んでさ、君との初めての夜を思い出すんだ」
 「ほんとに?」
 「ほんとさ。そんなときにやっぱり少し涙ぐむことがあるね。自分で女々しいと思いながらも」
 誠也は頬を染めて数回瞬きをした。
 「俺、美穂を忘れたことはない。あの日から一度も」
 「良かった、身体だけが目当てじゃなくて」
 「俺のこと、そんな風に思ってたの?」
 「ちょっとだけ。あなたまだ若い男子だったから」美穂はいたずらっぽく笑った。「でも、あたしはもっと前からあなたのことを思っては胸がきゅうってなってたよ。あなたと初めて食事をして、そのあと会えなくなってからずっと誠也のことを考えてた。」
 「そうか……」誠也は切なそうに眉尻を下げた。「俺、そんな風に美穂に想われてること、すごく幸せに感じる」
 誠也はチュッという音を立てて美穂の唇を吸った。「照れくさくて君と出会うまで誰にも言えなかったことが美穂には言える。好き。美穂が大好きだ」

 美穂は幸せそうにため息をついた。
 「あなたに抱かれるときにあたしが大好きな瞬間はね、」美穂は恥ずかしげに上目遣いで誠也の顔を見た。「裸になって抱かれたとき、キスしてるとき、誠也があたしの身体を舐めてるとき、中に入ってくるとき、一生懸命動くとき、中に熱いのを注いでくれるとき、そしてその後抱いてくれてるとき」
 誠也は呆れたように言った。「それって最初から最後までずっとじゃん」
 「ずっと天国にいるの」
 美穂はそう言ってぎゅっと誠也の身体を抱いた。
 「あたしの身体、もう誠也仕様になっちゃってる」
 誠也はひどく嬉しそうな顔をした。
 「あなたとこういう関係になる前、英明さんともまだつき合ってない頃にはね、男の人に抱かれることがこんなに気持ちいいことだってわかってなかった」
 「そう?」
 「なんか、向こうがエッチしたがってるから、それに相手してただけ、って感じかな」
 「若い頃はそんなもんじゃないの?」
 美穂は誠也を横目で睨んだ。
 「あなたに初めて抱かれた時もまだ若い頃だったんですけど」
 「そ、そうか」誠也は少し引きつった笑いを浮かべた。
 「あたし、それまであんまり経験はなかったんだ。物足りなかったでしょ? 初めてのあの夜」
 「そんなことないよ。美穂とのあの初体験はすごく気持ち良くて大満足だったよ」
 「あたしはあの夜に生まれて初めて全身が反応するような体験ができたの。熱くて、激しくて、敏感になって、吹き飛ばされそうになるほど感じて……泣きたくなるぐらい大好きになるの」
 「美穂……」
 誠也は美穂の身体を包み込むように抱いた。
 「今でもそう。もう誠也じゃないとだめみたい……」

 「でも、」誠也が天井を見つめながら言った。「俺、叔父さんにすごく、何て言うか、こう不義理なことしてるよね、今さらだけど……」
 美穂は誠也の頬を撫でながら言った。
 「誠也はそんなこと思わなくていいよ。あたしだけが罪の意識を持っているだけでいい。あなたはあたしを英明さんから奪ってるわけじゃないもの」
 誠也は小さなため息をついて、申し訳なさそうに眉尻を下げた。
 「やっぱり罪の意識を持っているんだね、美穂は」
 美穂はうなずいた。
 「でもあたしにとっては、あなたと英明さんはコインの裏表」
 「え? どういうこと?」
 「英明さんが表であなたが裏。同じじゃないその二つがちゃんと揃ってなければ偽物なの」
 「偽物?」
 「表だけでも裏だけでもだめなの。あたしにはその両方が一緒になってなきゃだめなの」
 誠也は美穂の目を見つめていた。


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