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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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反撃-9

「フレア本部の爆発に紛れて、下条崇志が何者かに連れ去られたようなの。」
それが若菜からの電話の内容であった。奇跡的に爆発から難を逃れた信者の証言で、爆発の直前に覆面をした複数の人間に下条が連れ去られる所を見たとの事であった。
「サーガによる拉致の可能性が高いですよね?」
「うん。海老川優里ならわざわざ爆発させなくても難なく連れ出せるだろうからね。一連の爆発から見てもこれはサーガの手口。本人ではないにしろサーガらが下条崇志を拉致したと見ていいと思うわ。」
「でも何の為に?」
「サーガは自分らを追い詰めているのが海老川優里だとは知らないはず。きっと自分らを追い詰めてるのはフレアの仕業だと思っての犯行じゃないかしら。」
「でもいなぎ中央署かいなぎ東署にサーガの内通者がいるとするならば、海老川優里の存在を知っているのはごく一部の人間であるにしても、もしかしたら情報を得ているかも知れなくないですか?」
「それは分からない。でも海老川優里と下条の関係に気付いているとは思えないわ?捜査上、下条が海老川優里に操られている事は伏せてあるから。海老川優里を探し出す為に下条を拉致したとは考えにくい。あくまで下条を狙った犯行だと見てる。」
「そうですか。」
そう答えた渚は周りに細心の注意を払いながら小声で言った。
「わたしは内通者が誰なのか探します。内通者を見つけ出す事が出来れば今回の爆発テロの主犯がサーガだと立証できますからね。」
「頼んだわ。」
そして電話を切った。

「吉川君、そろそろ千城に戻ろうか。護衛をつけるからさとみちゃんと一緒に戻りなさい。」
いなぎ中央署にとっては吉川らはゲストだ。ゲストにもしもの事があっては千城県警本部や若菜に申し訳ない。渚は2人を戻そうとした。
「こんな中途半端にここを去るのは嫌です。俺はここで捜査を続けます。」
「えっ?」
意外な言葉に渚は驚いた。公安上がりの吉川に捜査を協力してもらうのは非常に助かるが、2人の安全は守らなくてはならない。渚は戸惑った。
「上原さんなら分かってくれると思います。さとみだけは千城に帰して貰って下さい。」
渚は少し考えた後、答える。
「分かったわ。助かる。さとみちゃんは責任を持って千城に送り届けさせてもらうわ。」
「ありがとうございます。」
吉川は渚に頭を下げた。しかしその時だ。吉川の背後から急に声がする。
「私も残る。」
少し怒りを含んだかのような表情で吉川を見つめる。
「でも、危険だよ…」
「私だって刑事よ?可愛いだけの女の子じゃない。私だけ守られて千城に帰るのなんて嫌。私は吉川君と一緒に戦う。」
その姿は凛としていて今までのさとみからは想像も出来ない程の雰囲気を醸し出していた。
「もし殺されても自己責任、レイプされても自己責任。誰のせいにもしたくない。私はお荷物にはなりたくない。1人の刑事として事件を解決に導きたい。」
「でも…」
吉川は悩んだ。しかし渚はフフッと笑いながら吉川の肩を叩いた。
「さとみちゃん、私達が思ってるほどヤワじゃないようね。分かったよさとみちゃん、一緒に戦いましょ?」
「ハイ。」
さとみは力強く答えたのであった。
「吉川君にはさとみちゃんが必要でしょ?色んな意味で、ね?♪」
ニヤっとする渚に吉川は少し恥ずかしそうに咳払いをしたのであった。渚は吉川とさとみとともに捜査を続ける事を決めたのであった。


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