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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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反撃-4

奥へ進むと吉川が険しい表情を浮かべながら言った。
「覚醒剤の匂いがする…。」
「えっ?」
渚が吉川に振り返る。吉川が捜査で覚醒剤を使用せざるを得なかった話は若菜から聞いていた。その吉川の言葉に緊張が走る。
「それにタバコ臭い。廃墟のわりには至るところに埃が払われた跡がある。肝試しでパッと来てパッと帰る人らの出入りだけにしては生活感がありすぎる。」
吉川はそう言うと廊下を進む。すると床に何かを引きづったような跡がある事に気付く。何やら多くの荷物を運び出したような跡だ。その後は二階から続いていた。

3人は慎重に二階へと上がる。引きづり跡を追い廊下を進むと1番奥の部屋へとたどり着く。吉川が先頭を行き先に部屋に入る。そして慎重に中に入ると吉川は信じられない物を目にする。
「!?ま、マズイ!逃げろっ!!」
「えっ!?」
「いいから建物から離れるんだ!時限爆弾だ!」
「えっ!?」
渚とさとみの顔から血の気が引く。吉川に背中を押されるように走り出した。
「あと30秒で爆発する!あれは本物だ!早く!!」
3人は混乱しながら廊下を走り階段を駆け下りる。足がもつれて転びそうだ。ハイヒールが滑る。しかし渚とさとみは何とかバランスをとりながら必死で走る。

ようやく入り口を出た。3人は車まで戻るともう時間がない事に気付く。
「とにかく車の陰に隠れるんだ!」
3人は車の陰に身を縮めた。その瞬間であった。耳を突く激しい爆発が起きる。
「きゃあ!!」
さとみが悲鳴を上げた。風圧で車が揺れた。3人の体に割れた窓ガラスが降りかかる。身を伏せたまま体が動かなかった。

炎の勢いは想像以上に激しかった。身を隠す反対側のドアはモロに炎が当たっていた。焦げ臭い匂いが鼻を突く。吉川は頭を上げ様子を伺う。またいつ爆発が起きるか分からない。今ならなんとか逃げられそうだ。
「今のうちに離れるぞ!渚さん、走って!さとみも!」
「了解!」
渚は割と足取りはしっかりとしていた。しかしさとみは腰が抜けたかのように動けない。吉川はさとみの体を起こし抱き抱えながら炎から逃げる。

車から10メートルほど離れた頃、再び爆発が起きた。2個の爆弾がしかけられていたようだ。しかし爆発による炎はここまで届かない。3人はなるべく遠くまで逃げ、安全が確認できるであろう場所で座り込んだ。さとみは完全に怯えていた。渚は携帯を取り出し中央署に電話をかけた。

「南山です。今良間町にある元膣楽園があった廃墟で大規模な爆発が起きました。至急応援と消防車をお願いします。負傷者は不明です。捜査に同行した吉川刑事と石黒刑事は無事です。」
渚からの連絡を受け中央署は慌ただしくなる。サイレンを鳴らし5台のパトカーが出動した。

10分ほど経った頃、遠くからサイレンの音がする近づいてくるのが聞こえた。3人ともようやくすこし落ち着いた。あまりにも突然すぎてなぜ爆発が起きたのか考える暇もなかった。吉川はすっと立ち上がり黒煙を上げ激しく燃える廃墟を見ながら言った。
「サーガだ。きっとさっきまでここにサーガがいたに違いない。」
その言葉に渚が言う。
「可能性は高いわね。私達が今日この時間にここに来る情報を持っていたに違いないわ…。」
「やっぱいますか?」
「湯島武史にしろ田口にしろサーガにしろ同じだわ。きっと警察内に内通者がいるはず。」
「でしょうね。」
仲間を疑わなければならない事がやるせなかったし、切なくも感じた。冷静に考えればサーガは自分ら3人を殺害するつもりだったのであろう。3人は身に迫ったテロへの恐怖がようやく体を震えさせたのであった。


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