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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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不死蝶・海老川優里-11

その事はすぐに東京にいる若菜に伝えられた。性器を潰すと言う猟奇的な行動を起こせる人物…、実の双子の妹と子供を殺害する光景を目の前で父親に見せつけると言う残虐な行動をやってのけたあの人物が頭に浮かぶ。
「海老川優里…、彼女は今城南にいる…」
そう呟いた。
「海老川優里が…?」
警察に一番その身を追われている重要人物が今やレイプ犯罪対策の拠点となった千城県警本部のお膝元に堂々と入っている事が信じられなかった結衣。もし事実なら海老川優里はどこまでの自信家なんだと驚愕した。
「結衣ちゃん、考えてみなさいよ。湯島武史も田口徹も警察を嘲笑うかのように堂々とあちこちに出現していたわ?サイコ的な人間は自分の存在をアピールするものなのよ。ゲームを楽しんでる感覚でね。」
「ゲームを楽しんでる、ですか?」
「ええ。自分が残した足跡を追ってくる警察から逃げるゲームを楽しんでる。」
「これだけ多くの人達が犠牲になってるのにゲーム感覚だなんて…神経がおかしいとしか…。」
「そう、普通の人間じゃ考えられないわよね。海老川優里はどん底から這い上がって来た。彼女が味わった地獄はハンパじゃないはず。そんな人間がこれだけの騒ぎを起こすまでに豹変した。でも人間、そんな簡単に変われるものかしら?何が彼女をそこまで変えたと思う?」
「お、男…ですか?」
「…」
若菜は結衣の答えにずっこけた。
「あのね?結衣ちゃんは彼氏もいず毎日男に不自由してるからすぐオトコオトコって言うのかも知れないけど、違うでしょ!?」
「!?な、なんなんですかっ!」
イラっと来た結衣など気にも止めず若菜は言った。
「湯島武史に男の残虐性を散々叩き込まれ、フィアンセにも裏切られた海老川優里がオトコに人生を変えるきっかけを求める訳ないでしょう!?思い出しなよ。結衣ちゃんのごく近くにもあることがきっかけで人生を変えられた人、いたんじゃない!?」
「えっ…??…あっ!近藤さん…?」
「そう!近藤君よ。その近藤君は何がきっかけで人生を大きく変えちゃったんだっけ!?」
「…人妻の色香…?」
若菜は更にずっこける。
「あなたさっさと男作ってそのどうしようもない欲求不満を解消しなさいっ!違うでしょ!?覚醒剤でしょ!?」
「あ…。って事は…」
「そう!海老川優里は覚醒剤をやってる可能性があるわ!じゃなきゃそこまで女が残虐的になれる訳がない。彼女がした事はちょっと頭のおかしい人がする猟奇的な行動の範囲から大きく逸脱してるわ。湯島武史一家を殺害した時にはもう覚醒剤を使っていた可能性がある。彼女は覚醒剤の力でことごとく大胆な事件を起こせる、私はそう睨んでるの。一家を殺し、飛行機による同時多発テロを起こし、サーガのアジトを爆破し、そして平気で男のチンコを叩き潰す…。彼女が動くと必ず大きな事件が起きる。今まで彼女が起こした事件をもう一度やれと言われたならきっと彼女は起こせる。彼女が起こせる事件レベルは同時多発テロ以上なの。きっと彼女は同時多発テロよりも大きな事件を企ててるはず。まだまだやり足りない、もしくは目的を果たしていないから活動を止めないわけだろうからね。海老川優里と城南…、嫌な予感がする。…帰るわ。そっちに。」
若菜は一気に捲し立てて一方的に電話を切った。

電話を切った若菜は千城県方向を見つめ、そっと呟いた。
「嫌な予感がする…。何かが…大きな何かが起きそうな気がする…。」
隣にいた華英は若菜のその深くて重い瞳の輝きに何も言葉が出なかった。その瞳にはただ単に犯罪者を捕まえるだけの単純な輝きには見えなかった。

若菜にとって、海老川優里にとって、この一連の事件にとって因縁の地で何かが起きようとしているのであった。


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