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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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傷つけ合いな学校祭-1

「何かめっちゃ怖くない!?」
「あ、あぁ…墓石とかすんげーリアル。」

学校祭。私達が企画したお化け屋敷に運悪く足を運んでしまった同じ制服を纏うカップル

私は小鳥遊君ら美術部が精を込めて仕上げてくれた幽霊が着る同じ身の白いアレに袖を通し普段自慢のポニーテールも下ろしここに訪れたお客に程よい恐怖を与え。

「だ、大丈夫だ、どーせ全部作り物なんだし。」
「そうよ、あっもうじき出口よ!」

お互い肩を掴み合い、真っ青な顔を浮かべ、慎重に出口へと一歩一歩歩みよる。

けどこれも商売だ、私はそんな彼らへ足音を立てず慎重に忍び寄り。

「よし、もう少しで着くぞ。」
「えぇ、……ん?」
「きぇぇぇぇーー💛」

少々ワザとらしく可愛く脅かす。

「っ!……。ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「ほ、本物っ!?お助けをー。」

今なんつった?軽くいや可愛く脅かしただけなのにまるでこの世の物とは思えないような
物を見る顔で全勢力を挙げて逃げ去るカップル。

本番前に蓮のあんにゃろうが「幽霊の衣装を着たら普段よりもっと化け物っっぽく見えるからさ💛」とヘラヘラしながら衣装を持って近寄りやがって。

💛…じゃねーし💢

そうこう愚痴りながら持ち場へ再び戻ると懲りずにまたお客が。

「にしても何で私一人でここ切り盛りしてる訳よ、普通他に従業員がおるでしょーに。」

これじゃまるでここの番人みたいでしょーに。

「おんやぁ?」

その客に近寄ると何やら見覚えが。歳は私達と変わらない感じの男子で、背も大体小鳥遊君くらいに低く髪は金髪で、何より前髪にバツの髪飾りが…。

あたる!?

この前のメールでお祭りに来るって言ってたから頭の片隅にその事を閉まっておいたけど
まさかここへ来る何て。

…顔は暗くてよく見えないけどあいつで間違いない。ふっふぅーんあやつめこの伊吹様が
幽霊役を買って出ているとも知れずに何となく入ってきたなぁー。

久しぶりの再会を知れて俄然やる気が出た私は髪を口に挟み目の前にわっと現れて白目みせてやる!

「……。」

何も知らずいつ何が出てくるかも分からずビクビクオドオドするあたる。

そして彼との距離が縮んだ所で。

「がおぉーーーーんっ!あたる!かぁーくごぉー!……いっ!?」

そこには驚く彼の顔があるかとワクワクしていたら、あったのは…。

「の、のっぺらぼう!?」

まさかの想定外のカオナシに驚いて何故か幽霊役の私が出口まで悲鳴を上げて飛び出す。

「あら?伊吹さん休憩までまだちょっと時間あるわよ。」

受付役の女子が声を掛ける。

「ち、違うのよ!出たのよ、ゆ、幽霊がぁ!」

お約束の突っ込みが出てきそうだが、そこにあたる…いやのっぺらぼうが!

「ひっ、出たぁーって。」

けらけらと笑いながら出口から出てきたのはのっぺらぼうのマスクを取った正真正銘のあたるだった…。

と、そこに次のお化け役に変わってくれるクラスメートが現れて。


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