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異世界の血液
【ファンタジー その他小説】

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異世界の血液-2

 アキラはそっと足を忍ばせて看護師のロッカールームに入ったんだ。
 そして鍵を使わずにロッカーを開けて回った。
 ドラゴンのパワーがあるから、鍵なんていらない訳よ。お分かり? そのロッカーはもう使用不能になってしまったけれどね。
 でもって、看護師の私服をよりどりみどり選んだ。それから病棟のクリーニング室に行って、女性患者の洗濯済みの下着を漁った。つまり下着泥棒だね。
 何故かアキラのそのときの手際は初犯とは思えぬ慣れたものだった。しかしこの際、アキラのそういう過去の犯罪歴については本筋とは関係ないので触れないでおく。
 患者の女性用の下着と看護師の私服を身に着けたアキラはそのまま病院を飛び出した。
 後は野となれ山となれ、立つ鳥跡を濁しちゃおう、である。その後、途中で消えたアキラの扱いはどうなったかとか、盗難にあった衣服についてどういうことになったかということは本筋に関係ないし描写とか面倒なので書かない。

 アキラは腹が空いた。それでコンビニに入ってサンドイッチとかアンパンとかおにぎりや飲み物をバスケットに入れて、そのまま外に出ようとした。
 男の店員、多分店長が一人店番をしていたが、それを見逃すはずがない。
 手首を掴まれ、事務室に連れて行かれた。その時店の鍵を締め『準備中』の札をかけちゃった。
 分かるね、分かるよね? そうなんだ。よくAVであるパターン。万引き少女を事務室でなにしようというパターンだ。というのは普通の女の子なら警察に通報するか親を呼ぶかで済ませるのだが、アキラは中身は多分おっさんだけど、超超超の超美少女だから、その店長はムラムラムラと来ちゃったわけ。
 アキラは可愛い女の子の声で哀願した。
「お腹が空いて倒れそうなんです。お願いです。なんでも言うことを聞きますから、これを食べさせて下さい」
 アキラは女心は分からない腐れ童貞野郎だけど、男心はよく分かる。こう言えば男は体で払ってくれると期待して、アキラが食べるのをゆっくり見ながら妄想を膨らませる。僅か数百円の品物で極上の女の子が自分の物になるくらいのことを考えているんだろうなあって。
 


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