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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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驚愕すべき正体-9

不死蝶のリーダーも分かった。白川歩美の正体も分かった。海老川優里が幼い頃に湯島武史を虐めた事から現在のサーガの引き起こしている事件に繋がり、その悪しき糸を消滅すべき海老川優里がサーガを消そうとしている目的も分かった。若菜のすべき事は不死蝶とフレアから派生した過激思考派、サーガ率いるサーガ日本國統一真理教を封じ込め、海老川優里、サーガ、そして白川歩美の身柄を抑える事で事件は沈静化し決着に向かう事だとはっきりした。しかし若菜は何とも言い難い重い気持ちになっているのであった。

レイプを憎み、卑劣な男達に立ち向かう海老川優里に、若菜はどうしても共感を得てしまうのだ。その思想自体自分と同じ志である。ただし関係ない多くの人間を巻き込み犠牲者を出した事は許されるべき事ではない。しかし最後の最後で思い浮かぶのは先輩である皆川静香を残酷かつ卑劣な行為で命を奪った田口徹へのあの時の自分の気持ちであった。田口徹を殺す為なら手段は選ぶつもりはなかった。あの時の若菜は田口徹に罪を償わせたいと言うよりも殺す事しか考えていなかった。今の海老川優里も同じだろう。自分は良くて海老川優里がダメな訳がない。その事で若菜は悩んでいたのであった。

海老川優里もレイプ被害者なのだ。そんな彼女が湯島武史から解放され、憎き湯島武史の子供を宿し出産し、今までどんな気持ちで生きていたかを考えると心が痛む。非常に辛い気持ちになる。海老川優里が湯島武史から解放されてからの生活が明かされ、そして知るのが非常に辛かった。女として海老川優里に共鳴できる自分が嫌ではなかったりする。違う形で出会えばきっと意気投合できたのではないか、そう思った。

これ以上海老川優里に罪を重ねさせてはいけない、それが海老川優里を救える唯一の手段だと自分に言い聞かせて事件解決に向けて動かなければならない、そう決めた。その為には海老川優里よりも先にサーガを見つけ出す必要がある。先を越されたらまた海老川優里は罪を重ねる事になる。若菜は吉川とさとみに再び東京へ戻ってもらい何としてでも不死蝶よりも先にサーガの身柄を拘束するよう指示を出す。吉川をリーダーとしてなるべく多くの捜査員を集め全力でサーガの居場所を突き止める指令を萬岸署にいる中居に伝えた。

その時であった。現在、USの3人、喜多和典と沼尻エリサと竹中大悟をフレアに潜入捜査で潜り込ませているのだが、その沼尻エリサから連絡があった。

「上原さん、周りの信者と仲良くなり色々話を聞けたんですが、どうやら白川歩美とその母親がフレアに入信していたようです。」
「な、何ですって…!?」
「白川とは母親が別れた元夫の姓で、戸籍上は海老川歩美と話していたそうです。母親の名前は優里、海老川優里だそうです。」
エリサらUSのメンバーはまだ海老川優里や白川歩美の素性は知らされていない。そんなエリサからの報告にいよいよ湯島武史から解放された後の海老川優里の生活が明らかになる時が来たんだ、そう思い、決意を新たにするのであった。

そしてこの日を境に事件は大きく動き出すのであった。


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