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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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驚愕すべき正体-3

帽子を取った涼子のサラサラで上品なブラウンに染められた長髪が海風になびき美しい曲線を描く。もう40歳を超えているにも関わらず、若く見られる若菜と同じぐらいに見える。涼子もまた美魔女だ。涼子と若菜が海でベンチに座る姿はそれだけでも絵になる。

「若菜ちゃんが私に聞きたいのは、湯島武史一家と渡辺麻耶殺害の件だよね?」
やはり涼子は若菜が知りたい事を知っていたようだ。若菜は静かに答える。
「はい。」
涼子は一瞬視線を下に向けてから顔を上げる。
「若菜ちゃんが気づかない訳がないと思ったぁ…。毎日、いつ来るんだろ、いつ聞かれりんだろって、ずっとヒヤヒヤしてたわ。でも来てくれて、聞いてくれて良かった…。胸の支えがようやく取れるわ…」
涼子はむしろ清々しい顔をしていた。若菜に隠し事をしていたのが余程苦しかったのだろう。涼子の顔は穏やかになって行く。

「私はずっと違和感を感じていました。それは湯島武史一家殺害の件です。警察の内密な取り調べて涼子さんは全員を殺害したと証言しました。それがどうしても引っかかってたんです。」
「湯島武史に恨みを持つ私が一家を殺害した…、他の刑事達は誰も疑わなかったわ。」
「私もあの事件発生直後には涼子さんが一家全員を殺害したと思ってました。だから高田一家を暗殺する話を持ちかけたんですから。でもその時はそれまで面識がなく、涼子さんの事、全然しりませんでしたから。でも涼子さんと接して知って行くうちに、一家全員殺害と言う事に物凄く違和感を覚えるようになったんです。涼子さんが湯島武史ならまだしも、彼の奥さん、そして小さな子供2人まで殺害するなんて信じられなかった。それ程あなたは残忍ではない。そして湯島武史にあんな目に遭うまでは素晴らしい刑事だったと。女性を狙う卑劣な犯罪に全力で向かっていた素晴らしい刑事だと。そんな涼子さんが関係ない奥さんや子供を殺すだなんて信じられない。もし涼子さんがあの事件の犯人なら、湯島武史一家殺害事件とはならなかったはず。湯島武史殺害事件になったはずだと。」
「…」
若菜は涼子を見据えてきっぱりと言った。
「あなたは湯島武史一家殺害事件の犯人ではない。」
涼子もはや尊敬の念すら感じさせる瞳で若菜を見つめて言った。
「さすがよね、若菜ちゃん。あなたの言う通りだわ。」
その瞬間、若菜が抱える謎を包む霧が引き始めたような気がした。しかし、となると若菜の想像では湯島武史一家も渡辺麻耶も涼子は殺していない事になる。若菜にはまた新たな苦しみが生まれた。何故なら自分が涼子に高田一家暗殺を持ちかけなければ涼子は誰1人として殺人を犯さずに済んだ事になるからだ。自分のせいで涼子を殺人者にしてしまった…。若菜は取り返しのつかない後悔の念に襲われたのであった。


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